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第17話 嘘から出た真

「という訳で」 (ん? )  水面に怪しいさざ波が。そして、不埒な動きを胸と腰とお腹に感知したんだけど。 「二回戦しよう」  何時の間にか浮上していた松本に、にっこりと微笑まれた。キスされようとした処を、掌で阻んだ。 「この期に及んで拒むとは、いい度胸だな? 」  凄む処、間違えてないだろうか。 「あのねっ、松本の気持ち聴きたい……」 (駄目かな)  あのスケッチのモデルが私だと知って、無茶苦茶嬉しい。 (全然、似てなかったとしても) でも、言葉でも伝えて欲しい。  松本が固まってしまった。 (NGワードだった? ) 「我儘、かな……」 そう呟いたら、獰猛な狼がうろたえて照れるワンコになっちゃったよ。 (こういう処が”だすけ”なのか)  三年間、どうして「だすけ? 」と思ってたけど実感した。  暫く見守っていると金縛りが解けたのか、あーとかごほんとか言いながら、頬を寄せてきた。 (ホッペが熱いの、湯火照りじゃないよね) 「誌歌」  おわっ、ぞくんとキた! そうだった、コイツの声は私にとっては破壊力があり過ぎるのだ。 (しまった) これこそがオウンゴール。  囁かれた声は、とても小さかったけれど、よく聞こえた。心と躰に、沁み込んできた。 「俺はお前のこと、好きだから。お前が俺の事、好きなら。付き合って……」  私は松本の背中にぎゅ、と手を回した。幸せが押し寄せてくる。こんな事ってあるんだ。好きな人と両想いになれるなんて。 (神様、流れ星さん。松本を応援してくださった、サークルの皆様。ありがとう……! ) 万感の思いを込めて、返事をした。 「ヨロシク、オ願イシマス」  松本が視線を合わせてきた。近くなってくる距離に、私は眼を閉じた。そ……と、何か柔らかいものが触れて離れた。 (あ) 寂しい、と思う間もなく、もう一度。受け止めるように仰向けば、何度も唇が下りてきた。 「誌歌……」 (松本)  音にならなかったみたいだけれど、唇がほんのり開いた。そこにぬる、と何かが侵入してきた。それが何かを、もう私の躰は知っていた。 「ふ、うん……」  舌と舌が擦り合わさって気持ちがいい。私の手が松本の胸に置かれて、ほんの少し距離が空いていた。許さない、とばかりに腕を取られて首に回させられた。それと同時に松本が脚を伸ばしてきて、私は彼の太ももの上に座らされた。 「好き。大好きだ」  合間に囁かれる声に、アソコがきゅう、と啼く。松本も準備オーケーらしく、太い何かがお腹を叩く。私を首に巻き付かせて、松本の手が好き勝手に動いた。 「あの、ね」 もう息が上がってしまって、言葉を音にするのが難しい。 (だけど、これだけは言わなくちゃ) 「ん? 」 「松本、だから。抱かれ、たかった、の」 一瞬固まったが、噛みつくようにキスされた。私を押しのけると、ざばり、とバスタブから立ち上がった。 「? 」  気に障ったのか、と思ったらぐい、と乱暴に肩を掴まれてベッドへと連行された。 ぽすん、と投げ飛ばされて状況を確認しようと首を捻ったら、松本がゴムを自身に被せている処だった。 「くっそ、殺し文句ばっかり言いやがって!討ち死にしてやるからな!骨は拾えよっ」 凄んでいる割に、内容が完全に負け戦モードで私は笑ってしまった。 「来て」 両手を広げて、いざなった。 ……骨を拾ってあげるどころか。 骨までしゃぶられた、と思ったのは翌日のチェックアウトする時だった。 Fin.
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