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第13話 憎らしい彼女
(ムカつく)
俺は彼女が憎らしくて仕方がない。それなのに気持ち良くて、もっと気持ち悦くなりたくて揺さぶるのを止められない。
(コイツが俺にレイプされているように思っているんだったら、死ぬ気でストップするしかないけど)
でも、善がってるよな?
すげー気持ち悦さそうな貌してるもんな、大丈夫だろ。
(それなのに。どうして、俺を好きだと言わないんだ)
考えると、沸々とした怒りがこみ上げてくる。
お前が俺を好きだって言うのは、俺やサークルの奴らの勘違いだって言うのか。粘っこくて熱い眼。絡められて、溶かされそうになる。
(あんな眼で、いつも俺を見つめてるくせに)
自慢じゃないが、お前と同じ眼で他の女からガン見された事なんて、何度もある。
そいつらは、色々な口実をつけては俺の傍に近寄ろうとしてきた。
憧れ、恋、性的なもの。
一度や二度だったら、勘違い野郎だったかもしれない。だけど、そんな眼で見てきているのは、一人や二人じゃない。お前は、顔を合わせる度、そいつらと同じ眼で俺を見てるくせに。(それでもお前は、俺の事を嫌いって言い張るのかよ)
ちょっと触れただけで、喘いで善がる。耳たぶを舌で舐ってやれば、アソコがきゅ、と締まるくせに。
おっぱいを両手で揉みしだいてやれば、”もっと揉め”とばかりに背中を突き出してくる。ビーチクを弄ってやれば、アンアンのオンパレードだろ。
「感じまくってるじゃん」
俺は余裕みたいな声で断言してやる。苛めると、涙目で睨んでくる。可愛くて、色っぽくてムスコに血液が集中するのがわかる。どこもかしこも全部触りたい。触って、善がらせてやりたい。
「大嫌いな俺で善がってる、てどうよ」
勝ち誇った声で言えば、何とも言えない眼で見上げてくるくせに。
「俺の事を好きって言えよ」
普通、エッチしてる時って解放されちゃって、厭でも口にするもんだろ。
(イヤイヤ言われたくないけど)
それなのに、コイツはフルフルと首を横にするんだ。
「ア、ン、タ、な、ん、か、き、ら、いっ」
一音一音スタッカートになりながらも、はっきり。
(そんな事を聴きたいんじゃない! )
俺は腰を前後に激しく突き上げた。
(なんで好きって言ってくれないんだよ)
本当にお前は俺の事を嫌いなのか。
誌歌の気持ちが掴めなくて、泣きそうになる。こんなにも、俺で気持ち良さそうなのに。男なら、誰でもいいのかよ。誰にでも、こんな風に善がってみせるのか。
(悔しい)
そうだとしても、他の男の事なんか俺が上書きしてやる。
「ハ。嫌いな男にアンナコトコンナコトされて、びしょびしょじゃん。藤代って淫乱だったんだな」
”藤代”って言った瞬間、哀しそうな貌になったのは、なんで。
(違う)
そんな哀しそうな貌をさせたいんじゃないのに。お前には、いっつも明るく笑ってて欲しいのに。あのスケッチを拾われてから、お前は困ったような顔をするようになった。
(確かに、キモかったかもしれない)
携帯のフォルダ見られたら、ドン引きされるかもな。
彼女と知り合ってからの写真を、全部保存しているから。だけど、あのスケッチは一目惚れした時に咄嗟に書いたもの。”また会えますように”と願掛けしていたものだ。ずっと持ち歩いていたから、ボロボロで変色している。気持ち悪がられても仕方ない。
腰をストップした。
喘いでいた、コイツの声が止まる。だけどアソコはうねりっぱなし。俺だって動かしてえよ。
「あ、ん」
切なそうに喘ぐな、大っきくなっただろうが!
事態を把握出来ていない彼女を抱き起して、俺の太ももにまたがらせた。
「そんなに、俺が嫌いか」
もう、本当に限界だった。
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