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第4話

 さすがの赤ずきんもその変化には驚いたようです。目を丸くして、ベッドの上で苦しげな息を洩らしているあかがね色の髪の女の子を眺めました。 「これは珍しい。あんた人狼だったんだ」  はあはあと胸で呼吸を繰り返す少女の姿をした人狼は、月明かりに照らされてやけに倒錯的に赤ずきんの目に映りました。  メタモルフォーゼに、人狼はかなりの体力を消耗したようです。  月明かりに照らされた真珠色の肌に、赤ずきんは誘われるように手を伸ばしました。 「あんた、僕のおばあさんを食べたの?」  人狼はふるふると首を横に振りました。それは本当のことです。それどころか彼女はおばあさんを食べたオオカミを退治してきたのです。 「食べて……ないわ」 「じゃあ、おばあさんはどこ?」 「おばあさんは、人喰いオオカミに食べられて……」  再び彼女を深い悲しみが襲いました。 「……そう」  赤ずきんは暗い声で頷き、そして同じくらい暗い視線をオオカミに送ります。 「でも、それが本当かどうかなんてわからないよね」  オオカミは息を呑みました。  ――赤ずきんは『性悪』。  おばあさんの遺した言葉が不吉な予感となって脳裏を過ぎります。 「魔と契約を交わす方法を知っているかい?」  再び圧し掛かってきた赤ずきんの身体は、とても熱く感じられました。 「一番手っ取り早い方法は、犯してその身体に力の優位を知らしめることさ」 「……!?」  世間知らずなオオカミでしたが、赤ずきんが何を言わんとしているのかはほとんど本能的に察することができました。 「い、や……!」 「逃がさないよ」  赤ずきんは細い腕をしているくせにとても強い力の持ち主でした。  暴れるオオカミをいとも容易く押さえつけ、その身体に愛撫をほどこします。 「やだぁッ……」  尻尾の付け根を掴まれてぐいっと持ち上げられたオオカミは泣き叫びました。  なのに赤ずきんはと言えば、 「かわいい声」  などと呟いて抵抗するオオカミを愉しんででもいるかのようです。  赤ずきんはおばあさんの言う通り、本当に『性悪』でした。 「強姦はシュミじゃないけど、あんたは魔のものだから構わないよね」  オオカミにとっては、おおいに構うし大問題です。赤ずきんの方がよっぽど魔のものに近いようにオオカミには思えました。 「あ…悪魔…」 「ひどいね。こんなに可憐な僕をつかまえて悪魔だなんて」  にこりと笑う顔が美しければ美しいほどオオカミにはおそろしく映りました。 「う…うぇ…おばぁさぁん…たすけて…」 「おばあさんはもう食べられてしまってこの世にはいないんだよね?」  ……ほんとうに赤ずきんはひどい子供でした。おばあさんが『性悪』だと断言したのも頷けます。 「ひゃっ…、さわんないで…!」  胸の粒をくりくりと指で摘み取られ、オオカミは痛みと…もっと恐ろしい感覚に惑いました。  控えめな膨らみの胸をいじられると、なぜかお腹のあたりがじんと疼くのです。  赤ずきんの手が足と足の間に潜り込んできて、いつもは毛で隠された部分に触れてきました。 「や…あ…あ…」  オオカミは衝撃にもはや意味ある言葉さえ吐きだせなくなりました。  もちろんそんな場所を誰かに触らせたことなど一度もありません。 「……あまり濡れてないね。はじめてかな…」  それはたぶん独り言でした。 「仕方ないね」  ため息まじりの呟きに、赤ずきんが非道な行為を諦めてくれたのかと淡い期待を抱きかけたオオカミでしたが、身を起こした赤ずきんがテーブルの上のワインボトルを手に取るのを目にして己の甘さを思い知ります。  『性悪』な赤ずきんの考えることなど碌でもないに決まっているのでした。  あろうことか赤ずきんはワインを口に含むと、オオカミの処女地へとそれを流し込んだのです。  まさに『悪魔』の所業でした。  そして、急速に酔いがまわり前後不覚に陥ったオオカミのそこをさんざん指やら舌やらで()ねて(いじ)って()き回してオオカミを啼かせた後、赤ずきんは己の欲望を情け容赦なくねじ込んだのです。 「い…やぁぁ…」  か細いオオカミの悲鳴がおばあさんの小屋に哀しく響きました。  きっと、もしおばあさんが生きていたら後ろから赤ずきんの頭をワインボトルでかち割っていたことでしょう。  しかし、おばあさんはもう天国へと旅立ったあとでした。  あかがね色のオオカミは、月明かりに照らされたおばあさんの家で、赤ずきんに美味しく頂かれてしまいました。
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