舌を小刻みに動かして舐められるだけで、そこから強烈な刺激が走り、知代の体は痙攣した。　 　それだけでは終わらず、渉は花弁の上の花芽にも手を伸ばし、親指と人差し指で軽くつまんだ。 「ひっ……あ、渉くん、それ……」 「ここ、自分で触ったことない？　女の子が気持ちよくなるための器官だよ。ここをいじると、どんどん気持ちよくなれるからね」 「あっ……はぁ、あぁっ……」 　花芽を親指の腹でこねながら、渉の舌は執拗に知代の蜜口を愛撫する。とろとろとあふれてきた蜜を味わいつつ、舌は時折内側にも入り込んでいく。 　舌で十分にほぐしていくと、物足りないのか知代の腰が無意識に揺れた。 　チリチリと全身を初めての快感に焼かれるように感じながら、それでももっと強い刺激を求めてしまっているのだ。 「指、入れてみるよ」 「んっ」 「中もちゃんと濡れてる……これなら、大丈夫かな」 　ゆっくりと蜜口から差し入れていくと、締めつけつつもそこは人差し指を受け入れた。渉はしばらく指を抜き差ししていたけれど、目を潤ませ、息を荒らげる知代を見て苦しげな表情になる。 「……余裕ぶってるけど、もうだめ。知代が欲しくてたまんない」 「きゃっ……」 　知代の中から指を引き抜くと、渉は下着に手をかけ、一気に脱ぎ去った。勢いよく猛るものが現れ、知代は驚いて悲鳴をあげた。 「優しくするけど、やっぱり最初は痛いと思う。でも、すごく大事にするから」 「……うん」 　渉は知代の腰の下に枕を敷いた。そうさせると自分の秘めた部分を突き出すようで恥ずかしかったけれど、渉が真剣な顔をしているから抵抗せずにうなずいた。 　ジーンズのポケットから取り出した小さな包みを歯で破り、慣れた手つきで渉は自身に薄膜を被せた。そして、それを蜜をあふれさせて待つ知代の中心にあてがう。 「いくよ。息、止めないで」 「うん……あ、あぁっ……！」 　知代が息を吸って吐いたその瞬間。渉は腰を突き出し、一気に知代を貫いた。腰の下に枕を入れて角度をつけていたのが効いて、大して阻まれることなく渉のものは知代の奥までたどり着くことができた。 　けれど、今まで誰も踏み込んだことがなかったそこは当然狭い。熱い内側は渉のものに絡みつき、ねだるように締めつけた。 「はぁっ……おっきい……お腹の奥まで、渉くんが入ってる……」 「知代……痛くない？」 「うん……どうしよう……気持ちいい」 　渉を受け入れたその奥をキュンと切なく疼かせながら、知代は頬を染めた。 　快感によって体が熱くなっているのもあるけれど、知代は自分の体に起きた変化に恥じらっているのだ。 「気持ちいいのは、恥ずかしくないよ」 　ゆるゆると腰を動かしながら、渉は優しくなだめるように言う。 「でもっ、初めてなのに、感じちゃうなんて……私、淫乱なのかも……」 「それ、どこ情報？」 「……漫画……んんっ」 　恥ずかしそうに答える知代に、たまらなくなって渉は覆い被さった。そして、荒々しく唇を奪う。 　高ぶりが蜜壷をこすりあげるように、舌も口内を舐め回していく。歯列をなぞり舌と舌を絡めあっているうちに、どちらのものかわからなくなった唾液が口の端から滴り落ちていく。 「俺の前だけなら、淫乱でもいいじゃん。――知代、たくさん俺を感じて」 　そう言って、渉は知代をギュッと抱きしめた。それから、猛然と腰を振りたくる。 　技巧なんて、無視した抽送だった。ただ欲しいままに動いている。 　それなりの付き合いの中での、おざなりな交わりではない。 　初めて、自分の内面をきちんと見てくれた女の子とのセックスだ。 　だから、渉は求める心に従って、まるで初めてみたいな動きをしている。 「あっ、ああっ、渉くんっ……奥、あたって……あっ、ぁあ……っ」 　律動に合わせて、知代は切羽詰まったような声をあげる。初めてでこんな激しい動きは、当然痛みを伴う。けれど、それを上回るほどの快感に襲われ、体の奥から湧き上がってくる大きな波に飲み込まれそうになっていた。 　渉はこれまでにたくさん女の子を抱いてきただろう。その相手はきっと、知代よりもきれいだったり慣れていたり、渉を気持ちよくするための方法を知っていたにちがいない。 　それなのに、渉は初めてで不慣れな知代の体で感じてくれている。 　その嬉しさも相まって、知代は高まって乱れていた。 　もう、淫乱でも構わない。大好きな人とつながって、その快楽に思いきり乱れてしまいたいと思っていた。 「知代、いきそうなんだね。いいよ。そのまま、気持ちよくなって」 「渉くんっ、あ、あっ、んんあぁっ……」 　腰を振りながら渉が胸を激しく揉みしだいたものだから、知代は髪を振り乱して達した。全身が震え、蜜壷は大きく痙攣する。 「知代っ……俺も……っ」 　食い締めるかのような知代の中の感触に、渉もたまらず昇りつめた。隘路（あいろ）を押し広げていたものがさらに大きくなり、熱いものがほとばしる。 「……渉くん」 　自らの内側に大好きな人の脈動を感じながら、知代はうっとりと目を閉じた。 　キスやハグとはちがう、より深く満たされる感覚が胸いっぱいに広がっていた。 　それは渉も同じで、優しげに目を細めて、そっと知代の唇にキスを落とした。 「大好きだよ、知代」 「私も……渉くん、大好き」 　それから、ふたりは裸のまま抱き合って、朝までぐっすりと眠った。 　大好きな人の腕の中で眠る心地よさに浸っている知代は、まだ知らない。 　朝が来て、先に目覚めた渉にいろいろいたずらされてしまうことも。一緒にお風呂に入ってそこで散々可愛がられてしまうことも。