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とびきりの夜をあげる2
今日は、知代の誕生日。
かつて二十歳まで生きられないかもしれないと言われた少女は、その日無事に二十歳になった。
そして、自分の意思で大好きな男の子に大人にしてもらおうとしている。
「それじゃあ、今からひとつになるよ」
「……うん」
ゆっくりと、まるで壊れ物を扱うかのように渉は知代をベッドに横たえた。それから、やわやわと唇を重ねる。
唇の感触を確かめるかのようなキスをしながら、渉は知代のワンピースの裾をそっとたくし上げていく。
好きな人に肌を晒すということに恥じらって知代はもじもじしたけれど、バンザイをさせられて、すぽんとワンピースは脱がされてしまった。
誕生日デートだからと、気合いを入れて真っ白なニットワンピースなんて着ていたのがいけなかった。抵抗も虚しくあっという間に脱がされてしまって、知代は下着姿になった。
「かわいいなぁ……今日のために、特別?」
渉の問いかけに、知代はこくんとうなずいた。
その日の下着は、こうされてもいいようにワンピース同様、気合いを入れて身につけていた。
オーガンジーの生地でできた、ペールピンクの上下揃いの下着。よく見れば白いハートのドット模様が入っている。上品ながらも甘く可愛らしく、初めて異性に見られることを念頭に選んだ下着だった。
「あ、あんまり見ないで……」
「でも、俺に見せるために着てくれてるんでしょ? だったら、もっとじっくり見たい」
「……いじわる」
熱を持った視線が肌の上に注がれるのに耐えられず、知代は両手で顔をおおった。
そんな様子をクスクスと笑いながら、渉は自分の衣服をさっさと脱ぎ捨てていく。
タートルネックのセーターを脱ぎ、ベルトを外してジーンズも脱いでしまう。
その気配を察して知代が顔から手をのけると、下着だけになった渉と目があった。
「どう? 俺も下着になったから、これで恥ずかしくないよね?」
よく引き締まった渉の体を前にして、知代は真っ赤になる。
初めて見る異性の体は、ただ目の前にあるだけで刺激的だった。
「……恥ずかしいよ」
「そっか。なら、こうしよう」
ベッドのヘッドボードの上にあったリモコンを操作して、渉は部屋の灯りを落とした。真っ暗にするのではなく、常夜灯だけ残して。
オレンジ色の優しい光の中で、渉と知代は改めて向き合った。
「大好きだよ、知代」
「……ん、んっ」
ベッドに横たわる知代にのしかかり、再びの深いキス。舌が口内をまさぐり、知代から熱い吐息を引き出そうとする。
唇の感触だけではなく、触れ合う素肌もくすぐったくて、気持ちがよくて、知代は頭がぼんやりとしてきた。
キスをしながら、渉の節々とした長い指が知代の肌を撫でていく。首筋を、脇腹を、ふくらはぎを、太ももの内側を。
ただ優しく撫でられているだけなのに、ぞわぞわとしてくる。全身の産毛が逆立つような、そんな感覚。未知のものだけれど、決して嫌なものではなかった。
「えっ……渉くん、これ……」
貪るようなキスをして体をまさぐっていた渉は、そうしながら腰を知代に押しつけるような仕草をしていた。そうされると、嫌でも硬くなった彼のものを感じてしまい、知代は腰が引けてくる。
「やっと気づいてくれた。知代がかわいいから、こんなふうになるんだよ」
わざとさらに押しつけるようにされて、知代は息を呑んだ。そんな硬くて大きなものをこれから受け入れるのかと思うと、すごく怖くなったのだ。けれど、感じているのは恐怖だけではない。
「大丈夫。ちゃんとたっぷりとかしてあげるから」
「はっ……あ、ふ……」
下着をグッと上にずらし、こぼれ出た柔らかなふくらみに渉は唇を寄せた。そして、音を立てて口づける。
チュッと吸いつくようにして少しずつ唇は移動していき、やがてそれはふくらみの中心でぷくりと主張を始めた尖りに向かっていく。
「あっ、んんっ」
熱く湿った舌が硬くなったそこを舐めあげる。その初めて感じる強すぎる刺激に、知代の腰は跳ねる。それに気を良くしたのか、渉はその尖りを口に含んで吸い上げた。
もう片方の乳房はやわやわと揉みしだかれ、知代の体はとろけ始める。
「ん、ふっ……」
どうしようもなく高められてしまい、知代の口からは甘い声がもれる。それが恥ずかしくて、手の甲を押しつけて知代は声をこらえようとした。
渉はその手を、にっこり笑って封じる。
「知代、だめ。もっとかわいい声、聞かせて?」
「あっあぁん……」
指先でぴんと胸の尖りを弾かれて、知代の口からはあられもない声がもれる。
「ああ……すごくかわいい。普段お行儀がいい知代が、俺の前だけでこんなふうに乱れてるなんて……たまんないな」
渉が優しい声で、とろけるような眼差しで、さらに知代を高めようとする。
恥じらう気持ちはもちろんあるけれど、好きな人に求められているんだという実感が、女の子としての喜びを引き出していく。
「知代のかわいいところ、もっと見せて」
「……うぅ」
さっとブラジャーを外され、ショーツも引き下ろされる。うっすらとした茂みがあらわになり、渉の指先はすぐさまそこに這わされる。
「ちゃんと気持ちよくなってくれてたんだ。濡れてるよ。……でも、まだ十分じゃないね」
「ま、待って……きゃんっ」
抵抗する間もなく、渉は知代の脚のあいだに顔をうずめた。そして、控えめに蜜をこぼし始めた花弁の中心を舐める。
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