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とびきりの恋をあげる1
濃紺の空を背景に、星よりも眩しい光が輝いていた。
目の前にあるのは、電飾に彩られた大きな大きなクリスマスツリー。
隣で一緒に見上げている菊池くんは、かっこよくて、とびきり素敵な男の子だ。
そのこともあって、知代の目には、これまで見たどんなツリーよりも美しいものに見えていた。
菊池くんはおしゃれで、背が高くて、きれいな顔立ちをしていて、おまけに社交性が高い。そんなハイスペックな男の子が、地味系の知代とデートしてくれているなんて、信じられないことだ。
「付き合ってくれとは言いません。でも、一度だけでいいので、私とデートしてください!」
二週間ほど前、知代はそう言って菊池くんをデートに誘った。
彼女と別れたと聞いて、いてもたってもいられなくて、ほとんど衝動的にしたことだ。
派手めのグループに属する菊池くんに、前から憧れていた。それに、二十歳までにデートというものをしてみたかった。だから、今しかないと思ったのだ。
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