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第2話

「昨日見たー?記憶のカケラ達!寮様、ちょ〜かっこよかったよね!」 「見た見た!あの低音ボイスで愛してるとか言われたら、ホント堪んないよーぅ」 「大人の魅力っていうの?ムンムンだよね!ヤバイよ〜」 ーーあれ? このくだりどっかで聞いた事あるような…。 花の金曜日。 仕事終わり、相変わらずの仲間に飲みに誘われた私。 しかしみんなは世間を賑わす芸能人、寮様とやらの話ばかりで、 私は若干のデジャヴを感じながらお通しのたこわさびをちびちび箸でつまんでいた。 「ちょっと、聞いてんの!?綾!」 三人の視線が突然に降りかかってきて、 私は惚けた表情で、へ?と三人を見つめ返した。 「つか、まだ寮様のドラマ見てないの?」 「毎日こんなに寮様の魅力を語ってんのに、未だに活躍を無視してるなんて人生終わってるわね」 「…酷い言われようだわ、私」 二人に白い目で見られながら苦笑いする私は、 きっとこの二人以上に、奴の本質を知っているに違いない。 私は服部綾(はっとり あや) 大手化粧品メーカー、キジョウ化粧品の企画部に勤めている二十五歳のOLだ。 さっきから二人が目をハートにしながら待受の画像を見てギャアギャア騒ぐその相手こそ、 今芸能界一人気?俳優と言われている櫻木寮だ。 高身長に甘いマスク。 耳元に残る低音ボイスは誰もが骨抜きされる。と噂されていて、 出る番組、ドラマ、映画、CMなどその顔を見ない日は無いぐらいテレビでは引っ張りだこらしい。 確かに芸能界で生きる器としてはいい物を持っているかもしれない。 しかし私のその裏側の性格を知ってしまってた以上、 どう見ても簡単に受け入れることなど出来なかった。 「つか、ヤバイ情報を入手したのよ」 そのうちの一人、広報で働く親友がいきなり小声でボソリと呟くと、 その声にグッと体を寄せ合い小さく固まって内緒話をするように、 身を寄せ合った。 「今度新しい新商品出るじゃない?」
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