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会社に出社したのは、始業が始まる三十分前だった。 きっと部署には誰もいないであろうと安心しながら顔を出すと…。 「部長!」 そこには既に出社し自分のデスクで仕事をしている部長の姿があった。 思わず驚いた私が声をかけると、 おお、と相手も目を見開き驚きながら私を見つめ返した。 「服部、早いな。珍しい」 「部長こそ。いつも早いんですか?」 「まぁな、一日じゃ終わりきらない量だから」 部長は苦笑いしながらデスクの上を簡単に片付けると、コーヒーカップを持ち一口飲んだ。 確かにいつも忙しそうに動き回って仕事している姿は嫌というほど目に入ってくる。 しかし自発的に早く出社しているなんて知らなかった。 ーー真面目なんだなぁ…。 誰もいないオフィスで部長と二人きり。 それだけで何だか朝から得した気分だった。 「あっ!そういえば!」 その時ハッと思い出した私は鞄の中をゴソゴソと探し始めた。 「昨日部長から指摘された企画書、頑張って作り直したんです!だから…、あ、あれ?嘘だ」 昨日の会議後、ランチ返上で企画書を書き直した私。 教えてくれた部分を見直し一から考えてデータや情報を何とか作り上げた。 企画書が通る通らない別として、 努力を認めて褒めて欲しい一心で頑張ったプリントが何故か鞄の中に入っていない。 すみません、と部長のデスクの上に鞄を置かせてもらい慌ててガサガサと中を探し回す私を、 部長はキョトン顔で見つめている。 ーーもしかして……! 「ねぇ、寮ちゃん。これなぁに?」 豊満な女性が甘ったるい声で一枚の紙を床に落ちた拾い上げる。 「あ?」 「ベッドの下にあったのよ。あらやだ、知らない女の名前!また連れ込んだのね」 女性の声に素肌の上から白いワイシャツを羽織りながら近づけば、 裸体のままベッドに横たわる女性が紙を見て目を見開いた。 櫻木は女性から紙を奪い取りベッドの端に座って、その名前と紙に記載された会社の名前を目にした。 「キジョウ化粧品…、服部綾」 その紙は事細かに化粧品の情報やパーセンテージをしたグラフなど、 しっかり書き込まれた企画書だった。 「ねぇ、寮ちゃん。もう一回しよ?撮影までまだ時間あるし」 「まだ足りないの?好きだねセックス」 「やぁだ。寮ちゃんとするセックスが好きなのよ?気持ち良すぎるんだもの」 女性はふくよかな胸を櫻木の背中にグッと押し付けながら背後から抱き着く。 フッと笑う櫻木の耳に甘噛みしながら伸ばした手を櫻木の股間に伸ばす。
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