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一瞬何が起こったのかわからなかった。 ただ目の前が真っ暗になって、 生暖かい感触が唇に感じただけ。 「…っ、ん!」 その後すぐ口中にぬるっと滑り込んできた柔らかい物体に、 漸く今の状態に気づき目を見開いた。 私キスされてるーーー!? 「ちょっ…、っ、やっ…!!」 両腕を突っ張り相手の体を引き離そうとするも、櫻木の長い腕が私の腰に回されグッと強く抱き寄せられる。 顔を逸らそうも顎を掴む手の力に避ける事も出来ずに、相手の思うがままにされてしまう。 強引に口をこじ開けられ自分の舌に舌を絡めてくるその動きは手慣れていて、 今迄どれだけの女性を相手にしてきたか手に取るようにわかった。 舌に吸い付いたり、歯列を舌先でなぞったりと、縦横無尽な舌使いと予測の出来ない動きはさっきまで抵抗していた気力さえも奪っていく…。 「ぁっ、ちょっと…はぁ、はぁ」 悔しいけど凄くキスが上手だった。 それは今迄感じた事もなければ経験もした事がない程、 情熱的で濃厚な口付けだったのだ。 とうとう息が荒くなってきてぎゅっと相手の腕に掴まなければ立てなくなる。 ーー悔しい…、初めて会った人間にキスされて、 その上こんなに気持ちいいと感じてしまうなんて…!! 漸く唇が離れ、その舌先に細い糸が引く。 櫻木が見下ろした先には、 顔を赤らめながら肩で息をする私が視界に写っていた。 「さっきまでの勢いはどうした?」 「うっ…、うるさい…!」 余裕の笑みを浮かべながら呟く櫻木に、 私は悔しさといたたまれない気持ちでいっぱいになった。 恥ずかしくて目線も合わせられない。 あれだけ相手に啖呵切ってたのに、キス一つでこんなに骨抜きにされるなんて。 「気持ち良かったのか?息荒れてた」 「っ、!」 唇をペロリと舐められついビクッと体が反応してしまう。 そして櫻木の舌が首筋へと移動して更にビクついてしまった。 顔だけじゃなくて体が熱くなってきて、逆上せてしまいそう。 ーーこれ以上されたら、もうヤバい!
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