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居酒屋で仲間に見せられた時は写真だったし、それ以外の情報は全く知らなかった私。 気づくまで時間がかかったのはそのせいだろう。 きっと熱烈なファンなら失神して気絶するぐらい喜ぶに違いない。 「つか、お前気づかなかったのか?今芸能界一人気のある俺だぞ」 若干不貞腐れたような言い方で話す櫻木にフンと私は鼻で笑った。 「貴方みたいな人間が芸能界一だなんて、随分廃れた世界なのね。まぁ容姿だけで簡単に人気になる業界だもの、性格なんて二の次三の次だろうけど」 所詮メディアに出る人間は人気商売。 どれだけ視聴者達に良く見られるか結果が出る業界なのだから、 こんな横暴で性格が悪い人間でも表で良い顔していれば世の中の女性を騙す事なんて簡単だろうに。 「なんだと?」 私の言葉にカチンときたのか、 櫻木はベッドから立ち上がり私を睨むように見下ろした。 「…っ」 私より頭二つ分ぐらいはるかに高い身長とその迫力に思わずたじろいでしまう。 「な、何よ」 しかしジッと見つめられると気恥ずかしくなって、つい頬を赤らめてしまい、 自分の顔を隠すように櫻木から目線を逸らす。 その瞬間ーーーー。 「いた…っ!」 いきなり私の顎を掴み顔を強引に持ち上げてきた。 掴む指先にグッと強く力が入れば、嫌でも顔を歪めてしまう。 「口の減らねぇ女だな。恩を痣で返しやがって」 櫻木が何を言っているのか分からない私。 ーー恩? そんな事された覚えないんだけど…!! 冷たく見下ろす櫻木と視界がぶつかり合いながらそう思ったその時ーーーー。
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