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しかし部屋に見渡しても服は無く、持っていたバッグも見当たらない…。 「その格好で帰るって。お前貧乳のクセに馬鹿なのかよ」 クククと嘲笑うように探し回る私を見つめながら相手が言った。 その言葉に再びムカっときた私は相手の目の前に立ち、見下ろしながら何とか冷静を保ちながら呟く。 「私の服何処にあるんですか?明日だって会社あるのに、これじゃ帰れないんです」 「つーか、人に頼む言い方じゃねぇな。もっとやり方があんだろ?貧乳馬鹿女」 「はぁ!?貴方も言い方あるんじゃ無いんですか?どうせ体目的だったくせに」 「お前な、自分の体見てモノ言えよな。ガキみたいな体で勃つ程ロリコンじゃねぇっーの。勘違いもほどほどにしろ」 「ガキ…っ!?」 互いに敵対心剥き出しの言い合い。 しかし相手の方が悔しいが一枚上手で、私はつい言葉を詰まらせてしまった。 ーー何なのこの人! 私を見つめる事も無く俯きながらタオルで頭を拭き淡々と呟く姿が更に怒りが募っていく。 「帰りたきゃ帰れば。その格好で外に出る勇気ぐあんなら、な」 その時漸く相手は見上げ、私の顔を見つめながらニィと口端を上げニヤリと笑った。 「っ…」 ドキッ。 不覚にも胸の鼓動が大きく動いた。 長い彫りの深い顔立ち。 鼻筋が通った鼻に厚い唇。 両耳には赤いピアスをつけていて、悔しいが相手は中々の男前だった。 ーーどっかで見た事あるような…。 何故か初めて会った感じがしない。 何処かで…。 何処かで……。 「あーーーっ!!」 その時漸く途切れていた線と線が一つに繋がった。 「貴方、櫻木寮でしょ!?」 「うるせぇなぁ…そんなデカイ声出さなくても聞こえてるよ」 巷で人気の芸能人が目の前にいるという現実につい驚きを隠せない私。
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