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第15話

「イシリス、もっと、声を…聞かせろ」 「誰が…っ、おま…っえのために……っ…あっ…」    がり、と親指を噛んで快楽から逃れようとイシリスは試みたが、紅い長髪がそれを阻んだ。  首筋に、噛まれた傷跡にゆっくりと這わされる、舌。    ぞくり、と背筋を通り、快楽がクロサイトを咥え込んだ秘所に流れ込んだ。  クロサイトの雄を、柔らかく、強く、何度も締め付けるのをイシリスは身体の奥底に感じた。  ぬるりと引き抜かれ、再び深く穿つ。  ジュプ、ジュプと淫らな音がイシリスの羞恥を脱がしていく。  何時の間にかクロサイトの動きに併せるようにイシリスは気づかぬままその細腰を揺らしていた。 「ん…っ、ぃ、ぁ…っ」  クロサイトの形を象るように、イシリスの柔らかな蜜襞は収縮を繰り返す。  締め付けようとするイシリスに反して、クロサイトは引き抜き、濡れた音を立てて深く突き刺した。 「ひ…っ、ゃ…、あ…ッ」  穿たれる都度、イシリスの身体は大きく痙攣を繰り返した。 「…っ、甘い声を上げながら、俺を咥えるここは優しくないらしい…」  耳元で、クロサイトは囁いた。 「もっとくれと、俺を締め付けているぞ」  言いながら耳朶を、その牙が噛みついた。  「…きつく、な…」  熱い吐息とともに、その声がイシリスに流れ込んだ。 「…っ、言うな…!」  頬が、身体が、一層熱くなるのをイシリスは感じた。 「まだ、余裕があるのか?」 「な、に…」 「もっと、乱れてみせろ」 「な…、ぁ…ッ!」  クロサイトが腰を早める。腰を打ち付けられるイシリスは快楽に満たされ、腰から上下の四肢の感覚が麻痺していた。  ただ、それを受け入れていた。 「…ぁ…あっ」  下肢が、クロサイトの雄を受け入れた箇所が、濡れ、溢れている。  ふと、クロサイトは小さく笑ったようだった。 「イシリス、血に飢えた俺の…」  何事かを、クロサイトはイシリスの耳に囁いた。  だが、それを聞き取ることは、イシリスには不可能だった。 「…ん…っ、…ぁあ…ああっ…」  何度も、腰をくねらせ、快楽から逃れようともがいた。だが、それは全てクロサイトの身体によって操られていた。  目前に垂れるのは血なのか、髪なのか、イシリスは呆然と、ただ快楽の中に溺れていた。  繋がれた腰が、激しくぶつかり、がくがくとイシリスの肉体を揺らした。 「…あっ…あ…ぁ!!」  濡れた肌の音が、己の発する声の合間に聞こえた。身体を突き上げる快楽は、それに続いた。  やがて、それは速まっていった。  クロサイトの息が、耳元に乱れた音を立てる。  それは、己の呼吸と合致していた。 「…あっ…ぁあ…!…ぁあああっ!」  一際高く声を上げたイシリスは、強く、それを締め上げていた。  どくん、と体内に熱を感じた。  同時に、クロサイトが息を吐いたのが分かった。  どくどくと、身体の中が熱によって満たされていく。 「…っ…、…ぁっ…っ」 「…イシリス。いい声で鳴くじゃないか」  紅い長髪を揺らし、クロサイトがその上体を起こすのをイシリスは見た。  ズルリと、引き抜かれていく熱源を、イシリスは震えの中に感じた。 「…ほ…ざ、け…」  霞む視界で、その銀の双眸を睨み付けたのが、最後の記憶だった。
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