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第14話
「やめ…、…い…や…!」
揚がりきった体温と鼓動と共に、声音も高まっていた。イシリスは口を押さえ、頭を振る。
「そうだ、その声をもっと聞かせろ」
月光に微かに輝く銀の茂みの、その柔らかな秘所に、クロサイトは指をゆっくりと挿し込んだ。
その中は熱く、クロサイトの長くしなやかな指を締め上げる様に蠢いていた。
「…ぁ…あっ…だめ…」
ゆっくり引き抜くと、イシリスの腰が浮き上がり、蜜の様に蕩けた液を指に絡み付けた。
「あの男の前ではどんな声で鳴く?…イシリス?」
クロサイトの大きな手が、イシリスの手首を掴むと、易々と引き剥がした。
声を噛み殺していたその手首には歯型がくっきりと残っていた。
「…っ、…」
唇を噛んで、嫌々とイシリスは頭を振る。
「嫌なら俺の前だけのお前を晒してみろ。ほら」
指を揃え、探るように再びイシリスの秘所に滑り込ませる。
びくりと跳ね上がった腰を強く抱き、クロサイトはその名を囁いた。
「イシリス」
二度、三度と引き抜き、そして挿し入れた。
指の動きに合わせ蜜が溢れ、濡れた音が響いた。
「……っ!!っ…いぁ…」
「…絡みつくようだな…」
イシリスの蜜によって濡れた指を舐め上げ、クロサイトはそのままイシリスに口付けた。
「…っ」
強引にイシリスの口内を蹂躙するクロサイトは石畳に磔にしていた手を放した。
自由になった手で、圧し掛かった巨体を必死に押し戻そうとするが、無駄に終わる。
そして、それは突如としてイシリスの体を貫いた。
「いっ…?…いやぁああああっ!!」
クロサイトの雄が、イシリスの秘所へと強引に押し込まれていた。
「いやあああっ…ぁあああっ」
地から反り返った背が、突き上げられると同時に冷たい石畳に擦れる。
クロサイトは手近にあった地に濡れた外套を引き寄せ、イシリスの下に差し入れた。その間も、休むことなく、強く、イシリスを穿つ。
「たっ…たすけ……ん…」
はっと、イシリスの瞳が固まる。涙の滲んだエメラルドが輝いた。
銀の瞳が、微かに乱れた息と共に静かに見下ろした。
「どうした?…誰に助けを請う?…イシリス」
「ち…ちが…わたしは…」
誰にも助けなんて望まない。
望めない。
この身に呪いをかけた実の兄にも、まだ見ぬ父にも。
聖女だったという、人間の女の屍にも。
「イシリス…」
はっと、我に返ると、クロサイトが頬に伝った涙を掬っていた。
「私を救うとでも言いたいのか?…とんだ阿呆だな」
「求められなければ、そんなもの、誰がすると思うのか」
「…放せ。これを抜け、無礼者」
「無礼なら、慣れたものだ」
クロサイトは、イシリスの細い腰を抱くと、再び強く押し付けた。
「っ…ぁ…あっ…」
動きに合わせる様に、イシリスの唇から熱い吐息が漏れた。
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