プチプリは18歳以上の方を対象とした、無料のTL小説投稿サイトです。
私は18歳以上です
禁断姫は血を纏い踊る 第22話 | 黎衣丸の小説 - TL小説・漫画投稿サイト プチプリンセス[プチプリ]
新規登録
ログイン
漫画
小説
しおり
ランキング
もっと見る
コンテスト
検索
イベント
特集
初めての方に
禁断姫は血を纏い踊る
作者:
黎衣丸
ビューワー設定
22 / 22
第22話
昏んだ闇に全てが沈む頃。 城の中は俄に賑やかに、華々しく飾られていた。 漆黒の衣装を纏った楽団が厳かに音楽を奏で、恭しく手を取り合った人々は円を描き踊っていた。 退屈。 イシリスは、言われたまま純白の衣裳に身を包み、何時ものように目隠しのリボンで目元を覆っていた。 レイベンの隣に据える様に座し、静かに辺りの気配を伺ってはいた。レイベンの元へ謁見する者から度々感嘆の息が漏れるのを感じながら、イシリスはただ黙って口を結んでいた。 白く透明な金剛石の散りばめられた純白のドレス。白鳥か、真珠か。真紅の美しい唇を結び、白磁を思わせるなめらかな白い肌。傍から見たその様はまるで美しさを秘した宝石のようだった。 「レイベン様。ご機嫌麗しゅう」 ふと嗄れた声が辺りに響いた。 「今宵もとびきりのものをご用意しましたぞ。どうぞ、お楽しみあれ」 妙に張りのある、特徴のあるこの声を、イシリスは知っていた。目隠しを取れば、それが誰なのかわかるだろう。それだけ見知った者だ。 「そこなイシリス殿にも、きっとお気に召していただけましょうぞ」 喉の奥に籠もった笑いを引きつらせて、爺は不気味に笑った。 イシリスは爺の用意したという「それ」が、悪趣味な物であることは重々承知していた。そして、同時にこの爺の素性を理解した。 ある山奥の城へとレイベンに使いに出された時のことだった。何時ものように、それは舞踏会の名を借りた「狩り場」だった。 逃げ惑う人間たちの中で、一人、浮いた存在の年老いた爺が居た。イシリスは最初助けるために爺へと近付いたが、それは無用であったと思い知らされた。 爺の懐から、次々に魔物が飛び出していた。闇を纏うもの、形の無いもの、捕食を繰り返しながら形を変えていくもの。 狩り場を創り出しているのは、他の誰でも無く、その爺だった。 爺はイシリスの瞳を臆することもなく睨みつけた。そして唇を弧に歪め、一言、「見つけた」とだけ言った。 魔物を人間に売りつける、売人が居るという噂を、イシリスは知っていた。 人間が魔物を買い付ける理由は様々だが、その多くが混血を作るため、人間と魔物の血を使った繁殖のためだった。 選り優りの人間と、魔物をかけ合わせた「それ」は、高値で売買された。多くは、愛玩のために使われるのだという。
ストーリーがスキ!
スキ!
キャラクターがスキ!
スキ!
文章力がスキ!
スキ!
世界観がスキ!
スキ!
ハートとは
前へ
22
/ 22
次へ
いいね
ドキドキ
胸キュン
エロい
切ない
かわいい
レビュー
ともだちとシェアしよう!
ツイート
黎衣丸
この小説を読んだ人におすすめの作品
完結
醜い王女【千匹皮】
最上来
美しい王女は千匹皮を纏い、父から身を隠す
1
禁断の恋
★コンテスト
完結済/5話/8,079文字
/
0
2017年11月2日
完結
凪の潮騒
水戸けい
海で漁をしていたら、身なりのいい男が崖に立っていた。死にたがっているように見えて、私は――
R18
完結済/84話/78,321文字
/
13
2017年12月23日
完結
連れて逃げてよ、鏡さん
浅葱
生き返り、王子と結婚した白雪姫。めでたしめでたしのはずだったのに……?
3
2
R18
★コンテスト
完結済/5話/9,005文字
/
273
2017年10月7日
完結
白いキャンパスを淫らに汚して
くらげ
憧れの先生のモデルをすることになった楓。二人きりの部屋で先生の視線が身体を疼かせる。
3
1
3
1
R18
★コンテスト
完結済/1話/6,115文字
/
79
2018年1月13日
完結
ハイドロゲンボンド
皇海宮乃
ゆるやかに、甘く、繋がる
R18
★コンテスト
完結済/12話/9,370文字
/
0
2018年5月27日
完結
色逢い色華 傷ヲ舐め合う
.薔薇小路悪臭子@プチプリさんあざっした
人妻が後輩との不倫を周囲の人に突っつかれる話
R18
完結済/12話/65,873文字
2020年2月25日
アカウント管理