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第19話
対面した椅子に手を着いて、イシリスはレイベンの与える快楽を受け入れた。
レイベンが深く突き上げる都度、イシリスは腰をグラインドさせた。イシリスの中で一層擦れ合った粘膜が、音を立てて溢れる。
「ぁっぁっ、ぁぁぁ、あっあっ!」
イシリスの白い肌が、紅潮し、薄紅に染まっていく。
その紅い乳首を吸い上げると、レイベンは仰け反ったイシリスを引き寄せ抱え込み、イシリスの小さな尻を包むように押さえ、下から突き上げた。
「…ぁぁあっ」
波打つ黒髪に顔を埋め、イシリスは迫る快楽に震えた。
「あに…う…ぇ…、ん…ぅ…」
濡れた瞳で顔を上げたイシリスの唇を、レイベンは塞ぐ。
小さな舌が逃げるように咥内に暴れるのを、吸い上げる。
ふと、レイベンは腰の動きを止め、その雄を引き抜く。
ヌラヌラと、イシリスの胎内から溢れた蜜やクロサイトの残した精が絡まったレイベンの雄が、イシリスの目前に晒される。
逞しく、赤黒い雄は、時折脈打つ。
「さあ、どうして欲しい…?」
レイベンは、イシリスの耳元に甘く囁く。
イシリスは、ゴクリと息を呑んだ。
小さな手が、まだ熱の籠もった臍のあたりを擦る。そして、そのまま、雄へと指を伸ばした。
触れれば、熱く脈打つレイベンの雄に、己の身体を串刺すように、跨った。
「あっ、ぁ…ッ、ああっ…」
胎内を侵す熱に呼応するように、イシリスは声を上げる。
レイベンは、イシリスが撫でたのと同じ、臍のあたりを撫でる。
イシリスはレイベンを見た。
「憂いやつ…お前の望みを叶えよう。我が妹よ…」
レイベンは囁く様にイシリスの耳元に零すと、その両足ごと白い細腰を抱き、突き上げた。
甘い快楽が、鋭いものに変わり、イシリスは背を仰け反らせた。
白く剥き出しになった喉を、レイベンが甘く噛む。
「ん…っ、ん…っぁに、うぇ…!」
抉るような突き上げを、イシリスの秘所は蜜を垂らして受け入れる。
乞うた答えが、もうすぐ与えられると、イシリスの子宮は歓喜の絶頂に震えた。
「さぁ、受け取れ…我が妹よ…」
レイベンが低く言い放つと同時に、ドクリと熱源が放たれた。
「あ…っ、ぁあ…!」
ドクドクと、胎内が侵され、満たされていく。
イシリスはつま先を幾度も震わせ、受け入れた。
「ふ…淫らな…」
レイベンが小さく笑うのを、薄れていく意識の中でイシリスは感じた。
居城という名の檻に着いた頃、イシリスは馬車の中、一人眠っていた。
「イシリス様」
何時ものように、背後からソーンが名を呼んだ。ベルベットの向こうは、扉が開けられている様だった。
「入ってかまわない」
軋む身体を起こして、イシリスは目を閉じた。
目隠しをされ、手を引かれ馬車を降りた。
そのまま、導かれるまま、爪先で廊下に続く己の部屋へ辿った。
「おやすみなさいませ」
静かに、瞳を伏せたソーンが腰を折る姿をイシリスは見た。
黒い細身の鴉を思わせた。
唯一、ソーンの姿を見ることができる瞬間でもあった。
イシリスは静かに、唇を開いた。
「おやすみ」
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