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第1夜 キスしたことある?(3)

 可憐は、可憐の主人である吸血鬼の虚月と暮らしている。  始まりは、二年前だった。  可憐は海外に暮らす両親と離れて暮らしている。十五歳の時、彼は現れた。  それは、十五歳になって、初めて一人で過ごす夜のことだった。  ネット通信で、両親から誕生日を祝ってもらった可憐は、寂しさと共に布団に入った。  銀色の満月が窓に浮かんでいた。  美しい月を見ながら、ふと眠りが可憐を誘い始めた時、窓から差し込む月明かりが翳った。 「…?」  眠い目を擦り、布団の中で身を僅かに動かす。  雲が、月の光を遮ったのだと、可憐は思った。  だが、違った。  目の前に、銀の輝きが煌めいた。  と、同時に、低い男の声が響いた。 「お前が光島可憐か」  可憐は、僅かな悲鳴を上げた。が、それは男のしなやかな指先によって遮らえた。  「黙れ。小娘の叫びなど、聞くに耐えぬ」  口を覆われた可憐は、男を見た。  なんて綺麗なひとだろう。  可憐は、恐怖よりも先に思った。、  驚くほど白い肌に、高い鼻梁と、長い銀の睫毛に縁取られた紅いルビーのような瞳が、可憐を見下ろしていた。 「俺の名は虚月。お前の、新しい主だ」  主?  主とは、何だろう。     そうぼんやりと、目の前の美しい男に見惚れていると、男は、可憐の胸元に、手をおろした。  可憐の寝間着が、音を立てて裂けた。
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