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第1話 キスしたことある?(12)

 気がつけば、朝だった。 「…嘘…朝…」  ベッドで可憐は眠りから覚めた。 「い、いま、何時…」  枕元の時計は、九時を指していた。 「あー…遅刻…」  大遅刻である。  可憐はベッドを降りて、伸びをした。  気分は爽快で、身体も軽い。 「なんでだっけ…、…ん…」  そう言えば、昨晩のベッドに入った記憶がない。  だが、寝間着は着ている。  小娘が。  ふと、虚月の囁く声が耳元で聞こえた。 「…ぁ…」  思い出した。  昨晩は、また、乱暴な方法で抱かれたのだった。  使い魔の澪までも、一緒になって。 「…っ」  可憐は自分の身体を抱いて、床に座り込む。  虚月と肉体関係のある使い魔がどれだけいるのか可憐は知らなかったが、他の使い魔同士が関係を持つなんて。  どんな顔をして次に澪に会えばいいのか。  だが澪はきっと、冷静な顔で可憐の前に現れるのだろう。  それが、主人に、虚月に仕えるという事なのか。  可憐には理解できなかった。  シャワーを浴び、可憐は制服に着替えると家を出た。  学校へは、歩いて二十分ほどで着く。  可憐はバスを使わず、徒歩で通っていた。  そういえば。  昨日の、神父見習いの香島という男は、何処に居るのだろう。  近所と言っていた。 「近所に教会なんてあったんだ…?」  気づかなかった。  少なくとも、メインストリートにはない。  裏通りってことか。 「…ちょっとだけ」  覗いても、大丈夫だろう。  可憐は忘れていた。  自分が、後を貼けられていたことを。
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