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第一部 海賊王子とテッセンの女(6)

「……」 ごくり。  真珠のような輝かしい裸身に、生唾が湧いた。 恥ずかしそうに顔を背け、視線だけこちらに寄越すのが、滅茶苦茶卑猥だ。 ぐ、と彼女の太ももに手をかけ拡げた。 脚の間にわなないている、紅いサンゴ礁。 蜜がとろとろと流れていて、とっても美味しそうだ。 (俺の竜宮城) ベタだな、俺ってば。  欲望のまま、素直にソコに吸いついた。 「ああ……ん!」 弓香がのけぞった。 「いい反応」 (オ父サンハ、嬉シイゾ)  じゅるじゅる、と蜜を吸い上げた。 ねろねろ、と蜜口に舌を差し込めば、太腿が感極まって俺の頭を挟み込む。 (太腿も柔らけぇ~)  極上の肌触りに、俺はうっとりとした。 マーキングするように、顔を太腿の内側にこすりつければ、伸び出した髭が痛かったのか、体を捩られた。 ぺろ。 ぺろぺろと、赤く擦れた処を舐めてやっては、俺だけの秘密の場所に、深紅の珊瑚を啄ばみに戻る。  快楽が過ぎて、何かに掴まりたかったのだろう、弓香の手が伸びてきた。そして、彼女の股の間の俺の頭をぐじゃぐじゃに掻き混ぜた。  俺は太腿の裏から手を挟み込み、柔らかい尻を揉み込んだ。 弓香は高々と腰を上げて、俺を強請ってみせた。 (ほんっと可愛いな、コイツ) こんな処で貪ってごめんな。 1回。いや2回出したら、何処かのホテルのスイートで続きをやろうな。  手を離しても腰が俺の口を離さないから、放りっぱなしの胸に戻った。 むんず、と掴むとそれだけで弓香から嬌声があがる。 (いつもなら、テクニックの限りを尽くして善がらせまくってやるんだが) 惚れた女とのセックスって、こんなに理性がぶっとぶものだと思わなかった。 (やっぱり1回は出さないと、じっくり仕上げてやれねぇな) 悪いな、妻よ。  女と初めてした子供のように、俺は性急に弓香のアソコに指をつっこんだ。 「んっ!」 異物感に弓香がのけぞる。 (そうだよな)  お前は処女だもんな。 奥洞海の女が、心を伴わないセックスなんかした日には、悲劇だ。魂が身に引きずられる。愛してもない男に忠誠を誓わされる女程、哀しいものはない。 「弓香」 俺の呼びかけに、弓香はようよう瞳をこじあけた。情欲にまみれた瞳は、俺を見ているのか。 「お前の心は、俺を欲しがってるいるか? 」 「……」 潤んだ瞳がもの凄く、綺麗だ。 「躰だけなら、やめておけ。後でバイブでも突っ込んで、自分で慰めればいい」  開いては閉じ、閉じては開いて何かを言いかけた紅い唇を、今すぐ貪りたい。 「……」 もう、我慢できなかったので、催促した。 「弓香」 「貴方を殺さなかった時点で、察してください……っ」 き、と睨みつけながら、俺を殺すな。 「おっけ♡」 「ほんと、か、る……ッ」  弓香は最後まで言うことが出来なかった。俺の剛直が彼女の処女膜をぶち抜いたからだ。 「ひ、ん……っ!」 (う、わ。締まるッ)  気持ち善過ぎだろう。 滅茶苦茶に腰を振りたい。 だけど、弓香にセックスとは痛いもの、怖いもの、という記憶を植え付けたくなかった。 (今後の生殖活動に大きく影響を及ぼすからだ) 「く……」  弓香のナカが、俺の剛直を喰い千切ろうとするかのように絡みつき、扱きあげてくる。 歯を食いしばった間から、愉悦のうめき声がどうしても漏れちまう。 (漏れちまう、なんてキーワードを思っただけで、発射したくなるのだ)  ムスコよ、もう少し待て。我が妻を先に逝かせてからだ。 「は、あ……」 弓香がはくはくと荒くて浅い息を繰り返す。 ちゅ、ちゅ。 唇を覆った。 乾いた唇に俺の唾液を移して湿らせてやる。 「ん……」 甘い喘ぎが戻ってきた。 (いい子だ) ちゅく、ちゅく。  咥内に舌をもう一度挿れて、弓香の口の中を掻きまわした。舌と舌を絡ませあうのも忘れない。弓香の両腕がそろそろと俺の首に回って抱きしめてきた。 (オッパイが胸に擦りつけられて、無茶苦茶気持ちいい)  天然で煽ってくるな。俺がどれだけ我慢を強いられてるか、わかっているのか? その中でコリコリしたものに刺激が欲しいのだろう。ソレを摺り寄せるように俺の胸にぶつけてくる。 (たまんない) キスの主導権を弓香に譲って、俺は乳首ちゃんたちを可愛がることにした。  乳房の中に押し込んだり。側面を指で円を描いた。 「んっん……っ」 魚のように飛び跳ねる躰を、キスとおっぱいと俺の剛直を納めてるコイツの蜜路。3点で固定した。 うる。 (ん、キたな)  蜜路がぬかるんで来た。 試しにそっと揺すってみた。 弓香の顔を窺うが、うっとりとしている。 俺は彼女の乳首から指を外さないように、ゆっくりと剛直のグラインドの距離を長くしていった。  尚も乳首を弄ってやってると、ナカがうねってきた。 (たまんねえ……!) 「弓香、イけそうか?」 「わ、かんな……っ」 (これも夫の勤め) 「弓香、勘弁しろよ」 片手を乳首から外すと、残念そうな声を出された。 (仕方ないな) お前のイき顔を見て居たかったんだが。  はむ、と乳首を加えて、舌でねろねろと舐ってやった。合せて下の珠を転がしてやる。じゅん、とナカが潤みだした。熱くて甘い泥濘が、俺の剛直を包んで絡みつく。まるで麻薬みたいだ。この快楽を知ってしまったら、もう手放せない。 「あ、あぁ……んっ」 (前言撤回)  俺はこっそりと思う。弓香の美味しい処を味わいながら、彼女の啼き声に聴覚を犯されるのも、イイ。 (コレは絶対、病みつきになる) この女とのセックスは。  俺の剛直が嵌り切っているのに弓香のソコからは、じゅぶじゅぶとイヤラしい音が漏れ出るようになった。 (感じてきてるな) 最後の仕上げとばかりに、下の珠をたっぷりと弄ってやると、果たして。 「あ、あっ……ァっ」 切ないような啼き声を出して、頂点を迎えた。 「弓香、動くぞ」 ぐん、ぐんっ 許可ではなく、宣言だった。俺は律動を開始した。 「あ、あっ」 弓香の細切れの呼吸音が続く。 (一回目は、とっとと逝ってやる) 非常に不本意だが。  コツンコツン、と奥にあたるまで穿ち、蜜口より僅か数センチ奥のヘソ側の天井を亀頭で擦り上げるまで退く。 「あ、あン、や、あ……っ」 「弓香っ」 (孕め!) 我が国を継ぐ、第一王子を! そして、俺は命の元を注ぎ込んだ。 「……何故、殿下の仇名は”提督王子”ではなく、”海賊王子”なんですか」 俺の胸のうえでぐったりしている弓香が尋ねてきた。  俺は第一王位継承者であり、海軍の元帥でもある。 (”殿下”だの”閣下だの”色々な名称で呼ばれるのが面倒くさいので、俺の旗艦の奴らには”提督”と呼ばせている) 「知りたいか? 」 「……まあ」 口をきくのも億劫のようだ。 処女には、俺の剛直はキツかったよな。 (いずれ慣れて貰う。というよりは、俺しか咥えたくならないように仕込んでやる) 「惚れっぽいから」 「は?」  予想外だったのだろう、顔を上げて俺を覗き込んで来た。くしゃり、とその長い髪の間に指を入れて、おれの唇に引き寄せた。彼女は大人しくされるがままだ。それを良い事に、ぷりんと盛り上がった美味しそうなヒップを撫で回した。 「”海賊が通った後って、大波に呑まれたみたいに何も残らない”って言うだろう?俺は惚れっぽいの。それこそ海賊に根こそぎ奪われたみたいに、惚れた女に全てを持ち去られる」 「……」 それってどうなの、と。言ってるのが、ありありとわかる目線だった。 「ついでに。”欲しい物は誰の物だろうが、ぶん奪れ”てのが俺のモットー」 (”根こそぎ”、な) にっこり。 「悪友たちは、こっちの意味で俺のことを”海賊”て評価する奴らが多い」 はああ、と大袈裟にため息をつかれた。 その吐息が甘かったことは、黙っておいてやろう。 (あと3分位はな) 「お前を見た瞬間、俺のものにしようと決めた。お前が誰に心を奪われてようと、俺が奪い取って見せると」 「……このっ、海賊……っ」 頬を染めて、俺の心臓に囁いても嬉しいだけだぞ。 「お褒めに与って光栄です、妃殿下。ああ、お前が奪った俺の心は返品不可だからな」  指輪を嵌めさせた薬指にキスをすると、俺のワイフは黙って目を閉じたのだった。  翌日。 『世紀の大ニュースです! あの、旺月の第一位王位継承者王子殿下と、祁答院コンツェルンの総帥の孫娘、弓香嬢の婚約が発表されましたッ! しかもっ、媒酌人を大神財閥の総帥、新伍氏が務めるとのことですっ!! 』  世界中にニュースが駆け巡るや、大激震を引き起こしたのだった。 余談だが、大神系列及び祁答院コンツェルングループ。そして旺月の企業。 これらの株が軒並みストップ高を更新したのだという。  
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