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已んだ世界(1)

君を見ると、俺の胸は苦しくなる。 こんな想い、誰にも秘密だ。 誰にも知られてはいけない。何故なら……君は俺の血の繋がった姉なのだから。  おかしいんじゃないか? そう思い始めたのは小学六年の頃だった。 姉の波は俺の一つ年上で、小学校六年生まで赤いランドセルを背負う波を、俺は毎日傍で見続けていた。 しかし、一足卒業した波は中学に入るとセーラー服を纏い、初潮も始まったせいか、丸みを帯びた女の体へと変わっていった。 少し手を伸ばしただけで、制服の裾から柔らかそうな白い肌が見えた。 胸が、喚く。 泣き叫んで、その白い柔肌が欲しいと叫ぶ。 いつしか俺は、波に密かな恋心を抱くようになってしまった。  初めて肌を重ねた日から、俺は何度波を抱いただろう。 手に入れてしまったら入れてしまったで、それ以上、欲は出なかった。 親が寝静まってから、情事に励む。 波の中に沈め、俺は律動を繰り返す。 小さく喘ぐ波が可愛くて愛おしくてたまらない。 だけど、波の中で絶頂を迎えてしまうと、決まって深い喪失感と絶望感に襲われる。 そして、必ず俺は呟くのだ。 「ごめん……」と、小さく呟く。 「なにが?」  波は笑ってそう言い返すのだけれど、俺は答えを言わず、ただ優しく波を見つめるだけ。 俺から仕掛けたこの関係。 だけど、今では俺の方がそっけない。 むしろ、波の方が割り切ったのか、遠慮がちだが俺に甘えてくる。 そっと、キスをくれる。 波のそんな口付けが嬉しくて……時折、苦痛に変わっていく。 夜は夜で眠れない。 波との行為の興奮で、心臓が激しく動いている。このまま心臓が激しいまま消耗して、止まればいいのに……とさえ思い始めていた。  
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