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王子様は転生花嫁を育乳中!

 異世界に転生してシンデレラの役割を担っていたはずのカミラだったが、カボチャの馬車のなかで魔法使いクロードと結ばれて、結局爆乳好きの王子様がいるという舞踏会に行くことは叶わなかった。  カボチャの馬車が動きを止めたのはふたりで何度も抱き合って、愛を交わしてくたくたになったときだった。もはや夜の十二時などとっくに越えていて、ふつうなら魔法が解けるだろと突っ込みたくなるような状況である。  門限を無視したカボチャの馬車はおおきな城門を潜り抜け、立派なお城の前に到着していた。  カミラはクロードの魔法によって半ば強引に体力を回復させられた後、彼の器用な手先で髪を結い上げられ、あたまから足先まで白銀のアクセサリーを飾られ、素肌にサックスブルーのオーガンジードレスを着せられ、仕上げとばかりに素足にガラスの靴を履かされた。  まるでこれからシンデレラの物語がはじまるかのような煌びやかな彼の魔法を前に、カミラが不安そうに顔を曇らせる。  どういうことかと訊ねたら、クロードはくすりと笑って種明かしをした。魔法使いの黒装束から王族が着るような濃紺の宮廷服へと姿を変えて。 「ようこそ魔法の国へ……今宵、ふたりきりの舞踏会で君を見初めて花嫁にする王子は、俺だ」    * * *  シンデレラの役割を振られていたカミラがどこの国の王子と結ばれるかまで詳細に記された書物はクロードが記憶している前世にもこの現世にも存在していなかった。  そこでかつて愛した教え子がシンデレラとして転生し、同じ時間軸に存在していると知った幼少時のクロードは、この世界で彼女を自分のものにするため、魔法使いとしての教育を受けながら彼女の行方を探し、手に入れる方法を考えることにしたのだ。  シンデレラ譚と呼ばれる物語は世界各国に似たような伝承が残されており、ふるくは古代エジプトからイタリア、中国、日本、アメリカに至るまでさまざまなバリエーションに富んでいる。  前世で絵本作家として活動していた記憶をもとに、多くの童話を吟味したクロードは、フランスの童話作家ペロー原作の「サンドリヨン、あるいは小さなガラスの靴」に基づいた世界観がこの世界に根づいているのだろうと判断した。  そして、大胆なことを思いつく。  他の童話の世界を模した国で魔法使いとしてヒロインを助けたとき同様に、シンデレラを王子様と結ばせる――ならば自分が王子様になって彼女を迎えに行けばいいだけのことじゃないか、と。 「王子様……!?」 「この童話を模した世界にはたくさんの国がある。君が暮らしていたフランス文化圏に似たサンドリヨンの世界観……胸のおおきな女性を重宝する国や、俺たちが前世に生きた日本に似た和風の国、それから俺が父親を唆して建国させた魔法の国みたいなね」 「――建国させたって」  クロードの話によれば、大きな皇帝が治めていた国の一部の領地を治める権利を優先的に魔法を使わせるという条件下で土地を譲ってもらって、そこを魔法国と名づけたことで王族を名乗れるようにしたのだという。国としてはちいさなものだが、それでも魔法という脅威を持っていることから、世界各国の秩序を護るため重宝されているのだとか。 「シンデレラと王子様が破綻なく結ばれるために必要なことだったからな……シンデレラに転生した君を他の王子にくれてやることなんか考えられなかったから、手っ取り早く国を造らせて、自分が王子になっただけだ」 「……クロード」 「幸い、君が暮らしていた国の王子様は豊満な胸の女性がお好きだというし、候補者がひとりくらい抜けたところで問題もない。シンデレラが舞踏会で見初められて王子様の花嫁になる、という物語を完成させれば、この世界の秩序は保たれるわけで……カミラ? どうかしたか」  前世の門田教授でいた頃の冷徹な分析と行動力を見せられて、カミラは思わず魅了されてしまう。 「ううん。クロード、前世の彼方もいまの彼方も大好きだな、って」  前世では好きだなんて畏れ多くて一度も口にできなかった。  けれどもいまは、何度でも言葉にしてしまう。好き。大好き。愛してる。  それはカミラだけでなく、クロードも同じようだ。 「――綺麗だよ、カミラ」  動くたびにひらひらと揺れるドレスの裾はまるで羽化した蝶のようだとクロードは微笑む。  大広間にエスコートされて、誰もいないシャンデリアの下で流れ出した音楽に乗ってふたりは躍りだす。  寝静まった王城で繰りひろげられるふたりきりの舞踏会。周りを気にせず身体を密着させて、ふたりは顔を近づける。  へたくそなダンス、とひとしきり笑った後に。  熟したカボチャのように濃厚な、甘く蕩けるような誓いのキスをした。    * * * 「ぁあっ……クロード、またおっぱいばっかり……っ」 「ドレスの胸元から乳首おっ勃てて誘惑してきた君がいけない。いまにも手を差し入れて揉みしだいてくれと躍っていたときからおねだりしていたくせに」 「ひゃあんっ」  夜明け前にドレス姿のまま連れ込まれたのは王子だというクロードの私室だった。  ベッドで愛し合うのかと思ったカミラの予想を裏切って、彼は等身大の鏡の方へ彼女を誘い、腰がくだけるようなキスを仕掛ける。  そのままおおきな鏡台の前に立たされてドレスを脱がされ、カミラは焦る。恥ずかしいと逃げ出そうとしたが、クロードに魔法をかけられて、両手と両足をおおきく拡げさせられた状態でふたたび蔓のようなものに拘束されてしまった。 「逃げないで。美しく花ひらく自分の姿を、よく見るんだ」  カボチャの馬車のなかで枷のような役割をしていた蔓よりも細い緑色の紐のようなものが、ぷっくりと膨らんだ敏感な秘芽や申し訳程度に存在していた下乳の部分までしっかりと巻きついてカミラを捕らえている。すこしでも抵抗しようものならその触手のような蔓に敏感な場所を擦りたてられて更なる快感に打ちひしがれることになりそうだ。  さらに蔓が分岐するところどころに茶色い木の実のような形のちいさな鈴がついていた。期待でひくついている蜜口の入り口やすでに勃ちあがっている左右の乳首へわざと当たるようクロード手ずから結びつけたのだ。  反応するたびにリンリンと涼やかな音色が響く淫らなからくりを前に、カミラは何度も啼いた。まるで仕掛け絵本を繰り返し開いたり閉じたりするような彼の魔法に翻弄させられて、軽く達してはしどけなく下肢を濡らす。  くもりひとつない鏡の前には抵抗を許されない、彼に縛された体勢で胸を弄ばれつづけているカミラの姿が堂々と晒されていた。愛撫されるごとにかき鳴らされる鈴の音色に狂い、秘処からとろりとした愛液を垂れ流してははしたなく快楽に溺れ肌を上気させる彼女の姿を、クロードは愛おしそうに眺めつづけている。 「可愛いよ……ちいさなおっぱいで感じてつぼみのような乳首を真っ赤にしちゃって……育てがいのある、感度のいいおっぱいにしようね」 「はぅ……んっ、した、もさわってっ……きゃ!」  蜜口の傍に結びつけた鈴をぶちっ、と引きちぎられた途端、リンと音を奏でながらカミラを捕らえていた蔓がばらりとほどけて消える。くたっ、と腰を抜かして倒れそうになるカミラの身体を抱きとめたクロードは、恍惚とした表情で見つめてくる彼女に口づけをして、嬉しそうに囁く。 「仰せのままに、いやらしいお姫様」    * * *  鏡の前であれだけ前戯を施されていたにも関わらず、ベッドの上に運ばれてからも執拗にクロードの手と舌で身体中をまさぐられ、カミラは胸と秘芽の刺激で絶頂を味わわされていた。特に秘芽を彼の舌で舐められながら左右の指で乳首をぐりぐり責め立てられた際には意識を飛ばしながら潮を吹いたほど。  ひくひくと達したカミラの蜜口に押し込むようにクロードがそそり勃った陰茎を挿入すれば、意識を取り戻した彼女のすすり泣く声が蜜洞を穿ち蠕動運動をはじめた淫らな水音と重なり、やがて至上の音楽へと変わる。 「はぁ……もぅ……ードっ、ヤだっ、ぁっン――……!」 「あまりにも君が可愛いから、イったの見てすぐに挿入ちゃった。膣奥でもいっぱい感じて」 「ぁあん……! 激しいの……ダメっ、また……イっ、ちゃ……」 「構わないよ、たくさんイって。俺のことしか考えられないくらい感じて。もう、ぜったいに手放したりしないから……な」 「はぅ……わた、し……も! ――から」 「ぜんぶ出すぞ。いつか俺の子どもを孕んで――……っ!」  両乳首を痛いほど勃ちあがらせたまま、膣奥をひくつかせて達したカミラは、その最奥に生暖かい彼の子種が届くのを、夢見る気持ちで受け止めていた。  やがていつの日か、彼の子を宿す日が訪れるのだろう。  そうしたら、このちいさな胸も、すこしはおおきくなってくれるだろうか。  まるでカミラの心のなかを読んだかのように、吐精を終えたクロードが苦笑する。 「――子どもが生まれたら、その分爆乳になりそうな胸だよな」 「!? やっぱりクロードも爆乳の方がいいの……?」 「いや。俺は君のおっぱいなら貧乳だろうが爆乳だろうが構わないぞ? ――だが……子を孕ませてその胸が育つというのなら、それも一興だな……もっと注いでやるか」 「え? ひぃ……ぁン」  どこか勝ち誇った表情で呟いて、クロードはふたたびカミラのちいさな胸をさわりだす。  ちいさくても感じる、感じやすいおっぱいに前世から今に至るまで育てた魔法使い……魔法の国の王子様は、ようやく自分だけのシンデレラになった転生花嫁の乳首を舐めしゃぶりながら、ふたたび彼女の最奥を熱楔で貫く。ひとつになる都度、感じるのは満足感と、もっと自分のものにしたいという渇望だ。  クロードは自分にだけ感じる美しい花を咲かせつづけるため、繰り返し繰り返し、愛する彼女をお酒ではなく快楽に酔わせるよう調教する。カミラもまた、彼への気持ちを返すように、溢れんばかりの愛に溺れていく。  そして今度こそふたりは幸せに――……      “Cinderella of Breastfeeding”――fin.
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