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第六章 天女、監禁 * 4 *

「ゆず、にぃ?」 「怖がらないで。気持ちのいいことをするだけだから」  いつかに見た夢のように、柚葉が桜桃の身体を押し倒していく。  足枷をつけられた桜桃は彼の体重に抵抗する間もなく、柔らかな寝台の上へ身体を沈めていく。  胸元のリボンが彼の手でしゅるりとほどかれていく。 「だめ」  甘い香りが周囲にむわっと漂う。  すべてを蔑ろにするような、夢のような香りが、桜桃を惑わせる。  弱々しい桜桃の声を無視して、柚葉は彼女の陶器のような白い肌へ手を伸ばしていく。  触れられた場所から熱を感じて、桜桃はぞくりと身体を震わせ、敷布を両手で掴んで抵抗する。  だが、抵抗する間もなく夜着をはぎ取られ、ふるん、と小ぶりの乳房が冷たい空気に晒される。  その瞬間、柚葉がチッと舌打ちをして表情を変える。 「……これはどういうことだ?」  真っ白であったはずの桜桃の胸元には、既に緋色の痕が不規則に刻まれていた。  柚葉の声にびくっと震えながらも桜桃は、しどろもどろに声をあげる。 「虫、が」  小環がつけた接吻の痕(キスマーク)だとはどうしても言えなかった。  けれど柚葉は感づいてしまったらしい。彼女が既に他の男からも愛を囁かれていることに。 「いけない天女だ」  そう言って、柚葉はおおきな手のひらで桜桃の乳房を揉みしだいていく。  胸ばかり触れられていた桜桃は柚葉に責められ、すぐさま痴態を現していく。 「いやっ、あ……痛いっ、ゆずに……んっ」 「わざと痛くしているんだよ。気持ちよさそうにしているくせに。誰だ。誰に仕込まれた!」  柚葉に責められながらも首を左右に振って桜桃は拒む。  はじめのうちは優しくしてくれた彼も、胸元に刻まれた痕を見て態度を豹変させ、桜桃に迫る。 「ああっ!」 「ずいぶんと感度が好いな。蕾が立ち上がっているぞ」 「い、言わないで……っく!」  れろ、と柚葉の舌が赤黒くなった桜桃の乳首に掠る。  桜色だったはずの乳首がすでに男によって快楽の色に染められていたことに桜桃は気づかないまま、彼からの愛撫を受け続ける。 「はぁんっ」 「嬉しそうによがって……ほんとうに淫乱な天女だったんだな」 「!」  片方の乳首を舐めしゃぶられながら、もう片方の乳首を指先が捩じってくる。  すでに小環につけられた痕がわからないくらい、身体は真っ赤に上気している。  異母兄にまで淫乱と罵られながらも、桜桃は喘ぎながら瞳を潤ませ、自分の身体を虐める柚葉にされるがままになっている。 「悪い虫はやっつけないといけないな。春の王になるのは俺だ」 「あっ、喋っちゃ、や」  乳首に吹きかけるように言葉を零す柚葉に翻弄される桜桃を、更なる快感が襲い掛かる。  乳首を捻らずに身体を撫でていた片方の手が、夜着をすべて脱がして下腿の方へ攻めてきたのだ。  小環にも触れられることのなかった秘密の花園へ、柚葉が手を伸ばしていく。 「もう……こんなに濡らしているのか?」 「う、そ」 「いいんだ。もっと漏らして北の大地に春を喚ぶんだ」  胸だけの愛撫で愛蜜を垂らした桜桃を見て、嬉しそうに柚葉は呟く。  そして身体を震わせる桜桃の花芽を暴き、彼の指に摘ままれる。 「ゃあああんっ!」  誰にも触れられたことのない場所に、柚葉の手が、指が、届く。  ぐに、と肉厚の蕾をつつかれ、桜桃が甲高い悲鳴をあげる。 「ここか、ここだな」  淫核を摘まみあげられ、胸で達したとき以上の快感を得てしまった桜桃はもはや彼の言葉が気にならない。  ただ、次から次に襲い掛かる未知なる官能の波に飲み込まれ、溺れていく。 「あ、はぁっ……」  相変わらず片方の乳首を舐められ、もう片方の胸を揉みしだかれ、残りの手に秘芽をこねくり回され、桜桃はあえかな声で啼きつづけるばかり。  激しい愛撫に晒された裸体はやがて限界に近づき、弓なりにしなり。 「も、もぅ、やあぁああ、あ……っ!」  限界を迎え。  ぴゅっ、と愛液が飛び出し、柚葉の着ている軍服までをも濡らしていく。  その淫靡なさまを見届ける間もなく。  桜桃の意識はぷつり、と途切れた。
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