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第7話

 身体が防衛本能として潤滑液を分泌するまで時間がかかった。内壁へ無理矢理に少年の巨軸を通されるたび入口は軋み、桔梗は痛みに呻いた。少年は横にずらしただけの下着を邪魔がり、ほぼ意味を成していないその布を破ろうとしていたが服ほど簡単には破れなかった。やっと奥から潤みが溢れ、少年の運動が激しくなる。 「ぐっ……ぁっ、ぅぅぐ、」  容赦のない突貫に内臓を圧迫され、吐気を催す。追い出そうとする膣の蠢きに少年は感じ入り、数秒間は脳震盪を起こしそうなほどの凄まじい揺さぶりを与えられる。深く呼吸をして不快感をやり過ごす。熱く痛む頬を上から張られる。鋭い痛みが上塗りされた。 「女の人はここに入れられると気持ちいいんでしょ?だめだよ、気持ち良くならなきゃ」  頭痛がする。目が開かなかった。桔梗は鼻や口から血を垂らし、ラグを汚す。目元にあった小さな赤みが青みを帯びて広がっていく。 「叩くと中、きゅんきゅんするね。気持ちいいの?」  また前髪を鷲掴みにされ、掌が頬を張る。暫く少年は桔梗を引っ叩き続けた。痛みから逃れ、彼を追い出そうと何度も少年を締め付ける。 「叩かれるの好きなの…?すごく…気持ちいいよ……かわいい」  乱雑に髪を梳き、ラグに桔梗を落とす。 「かわいい……気持ちいい…」  意識を手放しかけている桔梗を粘っこい光沢を持って少年は見つめた。両手が彼女の首に回る。 「ぅっぐっ!くっ」 「すごい、すごい…気持ちいい…きもちぃぃ…!」  桔梗の首が締まった。少年は蕩けた声を上げ、窒息によって狭まる彼女の肉路を抉り、腰を振りたくる。服と同様に襤褸布のようになった口の端から泡が漏れ、血に混じった。 「きもちぃぃ…何これ……溶ける…溶ける……出ちゃう…ぁっ、あ…出る…!」  桔梗の意識は真っ白く染まる。腹奥に種汁が飛ぶ。その際に首を絞める力が一層強まった。胃から溢れる痺れを伴った怒涛を彼女はもう抑え切れず、口腔から胃液を垂らした。少年のそこは脈打ち、射精を終えると蠕動(ぜんどう)し首から手を解いた。 「すごくかわいい」  少年の指が口元を流れる嘔吐物を躊躇いもなく拭った。そして意識を飛ばしかけている彼女の膝裏を、彼女の肉体ごと抱えた。大股を開かせ、座る少年の大きな陽根に桔梗は上から串刺しにされる。 「あぅっぐぐっ…!」 「あぁ……すごい…きも、ちぃ…」  少年はブラジャーからこぼれた胸を両手で揉んだ。脂肪の膨らみを潰さんばかりの粗暴な手付きで、苦痛にさらなる苦痛が重なる。 「ねぇ…んっ、あの人と別れてぼくのお人形になりなよ…ぅっ、ぁ…」  喋りながら少年は突き上げる。胸を少し揉むとまた両膝を抱え、大きな開いた。接触部と花裂が暴かれ、蕊孔から白濁色が咥えさせられた楔を伝い落ちる。 「毎日ここ、いっぱい突いてあげる。それで子供作ろ…?家族にはちゃんと説明する。ぼくが守るからね…毎日ここにいっぱい出して、ぐちょぐちょにしてあげる」  頭痛と鋭い痛み、揺さぶられる酔いに桔梗はすべてを少年に預け、返事もろくにできなかった。絞められた首は頭を支える気力もなく突かれるたびにぐるぐると回った。 「恥ずかしいところいっぱいくっつけ合って、赤ちゃん作ろ」  抱え上げられ、楔の半分ほど抜かれた。 「ぁあ…」 「ね?」  軸に沿って落ちる。自身の体重によって深く挿入され、桔梗の視界に火花が飛んだ。膝が痙攣した。少年の腿に手を付いて、いくらか緩衝しても息の詰まる苦しさに襲われる。 「あっぁぐ…!ぁあっ」 「かわいい…きっと許してくれるよ。ぼくたち愛し合ってるんだって、父さんや兄さんたちに見せてあげよ?きっと許してくれるよ」  何度も少年の大きな陽根に落とされる。衝撃によって収斂する膣内の反応が気に入ったらしかった。 「奥に出すから赤ちゃん産んでね」 「あぁ…ぁ…」  首筋に顔を埋め、桔梗の無防備に晒された皮膚に歯を立て、舐め上げる。少年は短時間で凄まじい突き上げるを繰り返し、止まったかと思うと中で熱が破裂する。爆発的な奔流を深々と刺さった膣奥で受ける。 「抜い…て……抜………て…」  息も絶え絶えに桔梗は懇願した。膝裏を押さえる手を剥がそうと試みる。 「だめだよ。何でそんなこと言うの?ぼくたち愛し合ってるんだから…こんなにきゅんきゅんしてるんだもん、ぼくのこと、愛してるんでしょ?」  少年は口元が届く限り桔梗の肌を舐め、齧った。 「とっても甘いんだね。かわいい…」  固い芯が奥をさらに開拓しようと抉りにかかる。桔梗は秘部を拡げたまま意識を飛ばす。 「だめだよ。ほら、起きて。もっともっといっぱいきゅんきゅんして。赤ちゃんできないと父さんも兄さんも認めてくれないよ!」 「ぁ…っぐ、く…」  桔梗をラグに下ろし、俯せに倒した。背中を押さえ、陵辱が再開する。 「女の子がいい?男の子?ぼくはどっちでもいいですよ。でも貴方に似るといいなぁ…」  少年が背を多い、ブラジャーに構わず胸を揉む。色付いた小さな膨らみを掌で潰され、寒気がした。 「100人くらい作っちゃおっか?」 「ぃ、やァァ…」  桔梗は後頭部の髪を掴まれラグに頭部を叩き付けられる。 「嫌じゃないでしょ?恥ずかしいところいっぱい突いてあげる」  桔梗はまた毛足の長いラグに胃液を撒き散らす。少年は人形のような可憐な微笑を湛え彼女の口元を拭う。 「かわいい…悪阻(つわり)かな?悪阻だよね?ぼくの赤ちゃん、産まれるんだ…」  蹲るように()し掛かられている桔梗の腹を少年は撫でた。 「ち、が…ぁ…ぐっ、」 「違くない!ぼくの赤ちゃんだよ!ぼくの赤ちゃんだよね?ぼくの赤ちゃんじゃないの?ぼくの赤ちゃんじゃないっ?!」  少年の態度は豹変し、彼は叫んだ。撫でていた手が拳へ変わり、桔梗の腹を下から殴った。彼女は生理的な涙を浮かべ、吐気に耐える。すでに吐き出すものがない胃は引っ繰り返り千切れるような痛苦を彼女に与えた。唾液が血と嘔吐物に汚れたラグをさらに汚した。 「ぼくの赤ちゃんじゃないなら堕して!ぼくの赤ちゃんでしょ?嘘だよね?ぼくに構ってほしいだけなんでしょ?ぼくの赤ちゃんだよね?ぼくの赤ちゃんでしょ?まだ全然足らないんだね。いっぱい出したらぼくの子になるでしょ?」 「ち、違…ぁっ、ぐっぁ、」 「勘違いだよね?なんだ、勘違いか。びっくりさせないでよ。ぼくの赤ちゃんに決まってるよ。だってあんな人が貴方と愛し合って赤ちゃん作れるはずないもん。そうでしょ?貴方が愛してるのはぼくだもんね?じゃなきゃこんなにきゅんきゅんぼくのこと愛してるって言わないでしょぉ?」   恐怖を覚えるほど美しい顔をして少年は無邪気に笑いかける。腹を打ち叩く拳が開き、また腹を撫ではじめる。 「ぼくの赤ちゃん産んでね…」  髪を短く掴み少年は道具にするも同然に膣を使い潰す。抜かれることもなく桔梗を仰向けにすると、ブラジャーに持ち上げられた乳房に触れた。 「ここももうすぐ赤ちゃんのものになっちゃうね」  少年は自身の唇を舐めてから桔梗の胸へ吸い付く。もう片方も摘まれる。鳥肌が止まらず嘔吐(えづ)き、びくりと胸が波打った。 「かわいい…赤ちゃん産まれるまで、毎日してあげるからね」  視界は真っ白になって、桔梗は自分でもよく分からないうちに悲鳴を上げていたことを意識が遠退く前に自身の耳と爛れた喉で認めた。 ◇  何度かインターホンが鳴った気がした。ラグの外のフローリングが軋んで人の気配を感じ取る。頭と腹の痛みが身動きを拒絶する。身体中が寒く、柔らかな毛布を引っ張った。丸くなって腹奥の痛みに唸った。顔中が疼き、頬や顎を覆う冷たさがその違和感を返した。 「お嫁さん…?」  聞きたかった声を耳が勝手に作り上げる。 「お嫁さん…起きてるの?大丈夫…?」 「あなた…」  夫の声が耳鳴りに混じって近くで聞こえた。幻聴に浸り、呼び返す。 「ボクだヨ……お嫁さん…ボクだヨ…」  首を背後へ回す。明るい茶髪に同じ色をした丸みのある二等辺三角形が普段とは違いぺたりと垂れていた。 「あなた……なの…」  はっきりした声に胸が温かくなる。手を伸ばすと、体温の高い手に包まれる。 「ボクだヨ…」  夕焼けに照らされたような色味の筆先に似た尾が揺れている。 「どうして…ここに?帰ってきたの?」  長い睫毛を伏せ、夫は泣きそうな顔をした。空いた手を彼の頬に添える。 「隣の…ナントカさんが、危ないかもって…」  隣は無口な赤毛の美術教師が住んでいたはずだ。 「近所にいたの?」 「うん……ずっと1人にしててごめんネ…お嫁さん…」  大きな耳がぴこぴこと上下した。毛の長い尾が床を叩く。 「ううん。あなたは自由奔放でいいの」  すべての痛みを忘れられる。夫は桔梗の頬の手に手を重ねた。片手も彼女の指に絡める。 「お嫁さん…あのネ…お嫁さん…」 「ごめんなさい、あなた。心配かけて。ごめんなさい…」 「いいの!お嫁さん…ボクのことは大丈夫だから…お嫁さんは、自分のことだけ考えてネ…」  夫の柔らかな唇が額に当てられる。きちんと打ち明けるつもりが、その意思が揺らいだ。幸せな時間を壊したくない。夫を悲しませ、怒らせたくない。しかしこのまま黙り続けることはさらに彼を裏切っているようで、不貞の罪は許されずともせめて隠し事をしているという一点について許されたかった。 「あなた、わたし…」 「お嫁さんのコト…大好き…今はお休みなさいだヨ…」  口に張り付いた毛を除けながら夫は言った。彼の気遣いが重くのしかかる。眼球の裏側搾られるように痛んだ。捨てられたくない。嫌われたくない。しかし黙っておくこともまた出来なかった。 「あなた、聞いて。お願い、聞いて…」 「お嫁さん…泣かないで…お嫁さん悲しいと、ボクも悲しいヨ」  身体を起こす彼女を夫は支えた。筋肉質な腕に安堵する。放したくない。もう二度とここには戻れないのかと考えてしまうと言葉を続けられる気がしなかった。それでも後ろめたさから逃れられない。 「他の人のところに、いたの。ごめんなさい、あなた…ごめんなさい。他の人のところに泊まって、他の人に、抱かれたの…」  勢いに任せ打ち明ける。夫の顔を見られなかった。逃さないように夫の袖を掴む。しかし逃げる素振りがあったなら放すつもりだった。別れを拒む資格はもうなかった。断罪を待つ間は生きた心地がしなかった。 「…許さないヨ…お嫁さん」  夫の人懐こい声は相変わらずで、桔梗の髪を梳きながら彼は妻を抱き寄せる。 「ボクから離れようなんて…考えないでネ…一緒にいなくてごめんヨ…謝るのはボクのほう」  頭の形に沿って優しく優しく夫の手が髪を撫でる。厚い胸板に頭を預けた。頭の中から殴られているような痛みが緩和した。 「お嫁さんのコト大好き…大好き…許したらお嫁さん…気負っちゃうもんネ。今はおやすみだヨ…言ってくれてありがとネ…」  触れるだけの口付けをされ、物足りない感じがして離れていく夫の服を握る。 「お嫁さん…今はこれ以上は、やめておこうヨ…後でいっぱい、シよ?」  胸が甘さを帯びて苦しくなる。服を握った手を柔らかく剥がされ、しかし掴まれたままベッドの上に落ち着いた。 「あなた…会いたかった。ずっと会いたかった。帰ってきてくれて嬉しい」 「ボクも…お嫁さんに会えて…嬉しいヨ」  夫はへらりと笑って布団の上から桔梗をあやす。愛しい気配に安心し、彼の指を放せないままもう一度目を閉じる。 「おやすみ、お嫁さん。子守唄は何がいい…?『凪・砂浜・潮騒』でいい?」  頷く。夫は小さな鼻歌を始める。陽気な姿に今すぐにでも飛び付きたくなった。 「あなた…」  鼓動が苦しくなって布団を掴み夫の胸めがけベッドを蹴った。彼は軽々と受け止め毛布で妻を包み揺籠になった。 「一緒に…寝るの?ボク…ご飯作らなきゃだヨ…?」 「少し休んだら、わたしが作れるから」 「ダメだヨ…お嫁さんは寝てなきゃ…買ってくる?」  夫は揺れながら桔梗に微笑みかける。尾も左右に揺れていた。 「で、も…一緒にいたい…」 「すぐ…帰ってくるヨ…大丈夫…もう大丈夫だヨ…」  前髪に口付けが降る。家に夫がいる。喜びが眠気に誘い、耳元では鼓動が聞こえる。 「あなた…」 「うん…お嫁さん…大好きだヨ…おやすみ…寝んね子…寝んね子…眠れ~、眠れ~」  歌は上手いくせ子守唄となると途端に下手になる夫が可愛らしくて桔梗は笑いながら眠った。 『好きです、桔梗さん…』  恐ろしい男が玄関に立っている。にじり寄り、台所で夕食を作る桔梗を追い込んだ。 『俺で感じてくれたでしょう?何回も…』  冷蔵庫が逃げ道を奪う。エプロンを着ていたカットソーごと捲り上げられ、ジーンズのホックに手が掛かりファスナーを撫で上げられる。 『言い逃れできませんよ。旦那様には教えたんですか?俺で何度も何度も悦がり狂ったこと…』 「い…や……ゆるして…許して…」  夫に風貌の似た男は嫌味ったらしく笑った。 『旦那様にはそう言って、抱いてもらうんですか』 「いや…やめて……貴方には関係ない…っ!」  桔梗は頭を抱えた。夫の(まやかし)は彼女の腹に掌を当てていく。聴診器みたいな動きは何か鼓動を感じ取っているようでひどく不気味だった。 『関係ありますよ。俺の声、好きなんでしょう?俺に抱かれて、貴方のナカはあんなに悦んでいたじゃないですか』 「違う…っ(あなた)だと思ったから………」  下腹部で白く繊細な手が止まった。 『ここですね。一体誰の子なんでしょう…俺の子だといいな』  薄い唇が弧を描く。長い睫毛が持ち上がり、上目遣いに桔梗を捉える。 「貴方の子なわけない…!あの人の子だって、わたし…ッ」 『かわいいですね。貴方が身籠れない身体でよかった…ずっと、永遠に、俺のモノです』  雪の妖怪を思わせるほど青褪めた顔で青年は桔梗の腹を撫で続ける。 「なんでそんなこと言うの…なんでそんな、酷いこと…」 『でも俺はまだ諦めてないんです、貴方との子供』  臍の下で止まった手が離れ、桔梗の目元を拭う。 『好きです、桔梗さん。どうして俺では駄目だったんですか』  耳を塞いで屈んだ。(かぶり)を振る。歯が鳴って、目の前の男を拒む。
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