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1st side -Natsume-*Act.6-10☆

 萌恵に背中を向けた状態だから、萌恵がこちらを見ているのかどうかは全く分からない。  しかし、夏目が今、何をしているかは、もしかしたら何となく想像は出来ているかもしれない。  夏目は手の平に収まる箱の中から、ミシン目で繋がったそれを取り出す。  そこからひとつだけ切り離し、中身を破かないように注意深く開けると、ゆっくりと夏目自身に被せてゆく。  しっかり入ったことを確認した夏目は、再びベッドに戻った。 「ちゃんと考えてくれてたんですね」  嬉しそうに言う萌恵に、思わず肩を竦めてしまった。 「ほんとは呆れてるんじゃない?」 「どうして?」 「ゴムを用意してたってことは、君とヤる気満々だって思われても仕方ないだろ?」 「ずっと、私とエッチしたかったんですか?」 「――君、結構はっきり言うよね……」 「だって、私は夏目さんとエッチしてみたかったですもん。じゃなきゃ、夏目さんとふたりっきりで過ごしたいなんて最初から言わないです」  処女のはずなのに、処女とは思えない発言だ。  だが、先ほどの反応を見る限り、どう考えても男慣れしていない。 (まあ、いい)  夏目は小さく深呼吸した。  萌恵をリラックスさせるため、それ以上に自らの緊張を解くため、萌恵に深く口付ける。  萌恵の舌を夏目のそれで絡ませながら、少しずつ夏目自身を埋めようとする。  だが、想像していた通り、なかなか上手くいかない。  萌恵が固くなっている。  強気なことを言っていても、やはり、男を受け入れることにまだ恐怖を覚えるのだろう。 「萌恵」  ほとんど無意識に、夏目は萌恵の下の名前を呼んでいた。 「もう少し、力を緩められない?」 「そう思うんですけど……、どうしても……」 「やっぱり、無理?」  だが、萌恵は首を横に振る。 「平気。大丈夫ですから」  萌恵の両手が、夏目の顔を優しく挟んだ。
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