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第一章 偶然と必然*第三節-01

 洗顔を済ませ、真新しい制服に身を包んだ美咲は、通学バッグを手にダイニングへ入った。 「ほら、早く食べなさい」  美咲が現れたのを確認した理美は、待ってたと言わんばかりに、速攻で、出来立てのベーコンエッグとサラダをテーブルに置く。  美咲は自分の定位置に着くと、食パンを袋から一枚取り出した。 「あ、お父さんの分も焼いてちょうだいな」  新たに、フライパンにベーコンと卵を割り入れながら、理美が指示してくる。  美咲は、「分かった」と短く答え、パンを一枚追加して、オーブントースターに並べてタイマーを回した。  焼き上がるまでの間、自分専用のカップを棚から取り出し、そこにティーバッグを放り込んでポットから湯を注ぐ。  正しい淹れ方ではないのは美咲も分かっていたが、慌ただしい朝に、優雅に茶葉から淹れる作業は非常に手間だ。  何より、そんなことをのんびりしていたら、せっかちな理美に大目玉を食らってしまう。
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