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第21話 怜、不測の事態に困惑し、結果突っ走ることにした ⑥ 【R18】

   頭がどうにかなってしまいそうだった。  腰を浮かされたままの愛撫は梓の目にも入って来る。目を瞑ればそれを許さない怜の激しい愛撫に翻弄され、堪えて直視をすれば意地悪な愛撫に羞恥を煽られて、また翻弄される。どちらにしても梓には行き過ぎた快楽で、身体が泥のように沈み込んでしまいそうだった。  助けて、誰にともなく呟く。  溢れ出た愛液は怜の脚まで濡らし、梓の膣内は怜の指を三本呑み込めるくらいまでになっていた。 「大分柔らかくなってきたね」  うっそりと笑った怜がそう言って徐に指が引き抜き、梓はぼんやりとした頭で “ああ。ついにか” と覚悟した。なのに怜が取った行動は彼女の予想に反し、潤み切った秘所に口付けると溢れた蜜を啜り始めた。 「や…やぁ……んッ!……ぁあ………れぃ、くぅ…んんっ」  恥ずかしい所に顔を埋める怜に、必死に手を伸ばした。  栗色の髪に手が届きそうで届かない。  怜は僅かに顔を上げて、花芯に歯を立てた。コリっと歯で扱かれ強く吸い付かれると、腰が大きく跳ねてガタガタ震えだし、四肢は反対に張りつめていく。  ――――怖いッ!  手は縋るものを求めて空を彷徨う。  頭の中が爆ぜた。  背中が弓なりに撓って全身が大きく震え、張り詰めたものがやがて弛緩すると、梓は詰めていた息を吐き出してベッドに身を投げ出した。  怜は舌なめずりして、果てている梓の上を這い上がり、「イクって気持ちイイでしょ?」と耳元で囁いて、固く漲った熱杭を達したばかりの秘所に擦り付ける。 「でもまだまだこれからだからね? もっと高みにまで二人で昇ろう」  蕩けた梓に微笑み、彼女の頬を撫でると甘やかな吐息が漏れた。それが堪らなくて、怜は身震いすると、ヌルヌルと滑らせ愛液を絡みつかせたモノの先端を蜜口に宛がい、ぐりっと押し込んだ。 「――――いッ!? 痛い痛い痛いッ!! や―ッ!!」  突然の激しい痛みに頭が一気に覚醒した。  痛みから逃げ出したくて、梓は手足を突っ張り摺り上がろうとして、怜に腰を掴まれた。強引に引き戻され、熱杭に奥まで一息で穿たれると、梓の悲鳴が上がった。 「……いやーッ!! 」 「ごめん。だから逃げないでって言ったのに」  優しい声で囁くのに、その行為は獰猛としか言えない痛みを梓に(もたら)した。  凶暴なほどにいきり勃った熱杭に|膣内《なか》を抉るように刺し貫かれる。彼女の中に沈められた楔は、緩やかに抽送されるされる度に質量を変え、突き破られてしまいそうな恐怖に戦慄き、梓は両脇に着かれた怜の腕を掴んだ。その指先が白くなるほど強く。 「れ……れぃ…ぃたい……やぁ……ふぇ…ッ」 「アズ本当ごめん。でも、もお無理。アズん膣内(なか)、気持ち良過ぎて、止められない。気持ち良くしてあげるから、ちょっとだけ…我慢して…ッくぅ」  梓の嗚咽と重なるように肌を打ち付ける音と、怜の激しい息遣い。  怜は梓に覆い被さり、瞼にキスを落として涙を掬いとる。 「アズ、自分勝手でごめんね。ちゃんとケジメは着けるから、逃げないで」  梓の首筋に顔を埋め、懇願する。  怜の熱い吐息が項を這い、ゾクゾクする甘やかな刺激。  梓は怜の頭を抱きしめていた。  隣で疲れ果てて眠る梓の髪をそっと指で梳く。  泣きはらした目が、怜の良心をチクチクと苛んだ。  凄く凄く大事な子なのに、梓を抱きたいと思ったことなど今まで一度だってなかったのに、他の男に取られると思ったら、何が何でも自分のモノにしたい欲求が止まらなくなった。 (だからってガキじゃあるまいし、盛って抜かず三発はアズにはキツかったよなぁ……本当ごめんね)  顔を顰めて眠っている梓の下腹に手を当て、そっと撫でると表情が緩んだ。  怜を呑み込み包んでくれたそこに、白濁を吐き出した。  梓が逃げないように。  自分が逃げ出さないように。  女性を抱く日が来るなんて、思ってなかった。 (数時間前まで、女じゃ勃たないとか思ってた自分を蹴り飛ばしたい…ッ)  勃たないどころか勃ち過ぎて、危うく梓を壊すところだった。  最後は彼女の意識が朦朧としていたのを思い出し、「ホントごめん」と寝顔に呟く。  目が覚めた時、梓はどんな反応を見せるのだろう。それを思うと心が苦しい。怖くて、いっそこのまま朝が来なければいいのにと思う。  梓に嫌われることが、途轍もなく怖い。  笑顔を見せてくれなくなったらと思うと、背筋が震えた。  十四年で積み重ねて来たものを、自分は台無しにしてしまったのではないかと、今では少し後悔している。けど、自分に繋ぎ止めるためならたとえ梓に恨まれてでも、きっと同じことをする。  これは執着なのか?  大切な宝物を盗られそうになって、慌てて隠す子供染みた独占欲なのか?  どちらにしろ梓は手放せない。  手放したら、自分が自分じゃいられなくなりそうな危機感。  正直、翔にだってこんな危機感を感じたことなどない。多分それは彼が信用のおける親友であり、相棒であり、恋人であり、家族だからだ。梓みたいにあやふやな関係ではない。 (あやふやにしたのは、僕か)  大切な妹ポジションから引き摺り下ろして、手に入れた。  どうしても手に入れたかった。  手に入れてみて、愛おしさが増した。  もぞもぞと動いた梓に驚いて、手を浮かせて様子を窺った。彼女は眠ったまま何かを探している。宙を彷徨った手が矢庭に怜の手を掴み、ポスっと元の位置に戻された。梓はお腹の上に戻った手をポンポンし「お母さぁん」と呟く。  こんな時に夢で見るのは、怜でも翔でもなく、母親とは……。  思わず笑いが込み上げる。何とも梓らしい。  彼女と一緒にいる未来は、心地の良いものになるだろう。  でもそれを望む前に、翔に話さなければならない。 (先にヤッちゃった時点で、筋を通すも何もないんだけどなぁ)  翔の怒りが目に浮かぶ。  唯一無二の存在を手折った代償は如何ばかりか。  色んな意味で興奮状態だった怜は全く寝就けず、目が覚めた梓の言葉に胸を抉られる。 「昨夜のことは忘れる。だからこの事は絶対にお兄ちゃんに言わないで。もし一言でも言ったら、死んでやるから」
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