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第20話 怜、不測の事態に困惑し、結果突っ走ることにした ⑤【R18】

   震えの走る淫猥な舌先が梓の耳殻を舐り続ける。  最初は戸惑っていた怜の手も今は、柔らかな乳房を捉えて揉み拉き、指先が尖端を捻っては軽く弾く。梓は逃げようもないざわめきに支配され、身体から力を奪い取られていった。  こんな事はいけないと頭では拒否しているのに、身体が言うことを利いてくれない。  ずっと頭を占めていた兄の顔が、次第に追いやられそうになるのを止められなくなってきていた。  気を抜いたら出そうになる声を、梓は唇を噛んで更に手で口を塞いでいる。怜はそんな彼女の反応を愉しげに見、「我慢しないで」と耳元で囁く。その甘やかなテノールに梓が弱いことを知っていての確信犯だ。  怜は涙目でプルプル震える彼女の首筋に舌を這わせ、梓はチクッとした痛みを伴った痺れに遂に声を漏らしてしまった。勝利した怜からクスクス笑いが漏れ、梓は首筋に手を当てて問う眼差しで彼を見た。 「……っ!?」 「女の子って、結構簡単に痕が着くもんなんだね」 「……あ、と?」  訝しげに怜を見上げると、彼はにっこりと微笑んで「キスマーク」と頷いた。  その言葉を知らないわけじゃないけど、自分との関連性がこれまでになさ過ぎて、頭の中が疑問符だらけになっている隙に、面白がった怜が所々に赤い花弁を散らしていた。 「花吹雪」  満足そうに笑っている怜を見上げながら、頭の中で『花吹雪?』と反芻してハッとした。気怠い首を擡げて、怜の視線の先に目を向ける。  肩からお腹に掛けて、無数の赤い痕が散らばっていた。 「綺麗に付いたよ」 「…!!」  瞬時に拳を繰り出していた。女の子独特のナヨッとしたパンチではなく、正拳突きと言われる方の。力が出ないと思っていたのに、怒りで瞬発的な力が湧いて出た。  でもそれが怜に当たることはなく、あっさり去なされてベッドに縫い止められ、重なるように降りてきた怜の意地悪な微笑みに梓の顔が強ばった。 「ずっと唇噛んでたでしょ。真っ赤になって、これはこれで凄くいいね。色っぽい」  怜の舌先が赤く充血した梓の唇をチロリと舐め、妖艶な微笑みを浮かべる。 (いーえッ! 寧ろあなたの方が色っぽいですから~ッ!)  どんな女が頑張ったところで、怜の危ない色気には勝てないと思う。少なくとも梓は、怜の色気に勝っていると思った女性に出会ったことがない。  怜はチュッチュッと音を立てながら梓の唇を啄み、縫い止めていた腕を彼の掌が滑る。やがてその手は脇を擽るように通り抜け、柔らかな双丘を掬い上げるようにして掌中に収めた。繊細な指先が頂を抓み、弾いては捻って刺激を与え続けられる。  梓の吐息を奪い取るように、唇の隙間から怜の舌が滑り込んだ。  いきなり口腔の奥まで進入されて逃げる場所を失った舌先を、怜の舌がねっとりと絡め取り、吸われ、梓の舌先を甘噛みしたまま彼の舌先が悪戯を仕掛けるように擽る。  噛まれている所からじわじわと広がっていく感じが、気持ちいいと思い始めている自分が怖くなる。なのにそれを止めることも出来ないもどかしさ。  怜に毒されてきている――――その自覚はあるけど、頭の芯までぼんやりして抗えない。もっと欲しいと強請る身体を制止できない。  どうしようという思いが、自然と涙となって溢れた。  彼はまた「ごめんね」と呟き、愛おしそうにキスを落としてくる。  そんな言葉を吐いたって、怜が止まってくれない事はもう解っている。だからそれには答えない。  不意に唇が遠く離れた。  指の形に変形した乳房の硬く勃ち上がった頂を舐られ、身体の中心に熱が溜まっている。お腹の奥がきゅーっと何かを訴え、腰がひどく疼いて勝手に動いてしまう。梓は漏れてしまいそうな喘ぎを堪えることに必死で、無意識に膝を擦り合わせていた。  怜が気付かないわけがない。「つらいの?」と滑らかな肌を撫で回していた彼の手が、ショーツの上から秘所に触れると、梓は咄嗟に脚をギュッと閉じ、首を左右に振った。 「や…そこ……だめ」 「濡れてるのに?」  梓の抵抗など事も無げにスルーし、指先をクロッチ脇から忍び込ませる。ぬるりと滑った指先がぷっくりと膨らんだ花芯を見つけ出し、指の腹でくるくると愛で始めた。梓の腰はピクンピクンと震え、いやいやと首を振って怜の手を掴んだ。それでも指は甘やかな刺激を与え続ける。 「や…いや……ッん…ぅ……怖、い」 「怖くないよ。少しでも痛くない様に、気持ち良くしてあげるから。手、放して」  涙目で首を振る梓に苦笑し、怜はするりと手を抜き取った。それで安堵した梓の手が離れると、彼は一気にショーツを剥ぎ取り、脚の間に割って入る。愕然とする梓を見下ろしてニヤリと笑った。 「僕の勝ち。アズちゃん往生際が悪過ぎ。諦めてって言ったでしょ」 「やっ! 怜くんの、バカッ!」 「…ふーん。アズちゃんのココ、こんななんだね」  ニヤニヤ笑って脚を押し上げた怜が、腕で脚を押さえつつ、指で開いた秘所を観察しながら梓の腰の下で胡坐を掻く。戻れなくなった腰に梓は短い悲鳴を上げ、怜は反対の指を蜜口から花芯にツーっと滑らせた。  全身がぞわっと震え、襲ってきた疼きに子宮がキュッとなる。  花芯をくるくる撫で回され、熱い吐息と甘い声がどんなに我慢しても漏れてしまう。梓の痴態をじっと観察している怜の視線にさえ、視姦されているようで小刻みに震えるのが止まらない。 「やぁ……っぁ…み…見ちゃ……んッ、あ……」 「ここって、亀頭と一緒だって知ってた? こうしてると気持ちイイでしょ?」  わざとだ。わざと梓が恥ずかしくなる言葉を吐き、そしてくちゅくちゅと厭らしい水音を立てて追い立て、彼女の反抗する意思を奪っていく。  蜜口の周囲で遊ばせていた指が不意に止まり、次にはつぷりと挿し込まれた。 「…ひっ」  梓の身体に緊張が走った。  花芯と同時に浅瀬を捏ね回され、カタカタと震え出して。 「…あぁ…んっ!!」  自分の声に驚いて、梓は両手で口を塞ぎ固く目を瞑った。すると怜の指が更に奥へと押し進み、淫壁に指を立てながらゆっくりと中を掻き回し始める。目を瞑ることで却って敏感に指の動きを捉えてしまう。  怜の長い指が深くまで抉り、押し上げ、擦る。  梓の喉から殺しきれなくなった甘く熱い声と吐息が漏れ、怜の瞳に喜悦の色が浮かんだ。 「アズちゃんの膣内(なか)、凄く熱い。…あ、今キュッて、キッツイなぁ…はぁ……早く挿入りたい」  潤んだ声に羞恥を煽られ、怜の指を締め付けた。それが恥ずかしくて梓の全身がカッと熱くなり、蜜口からとろりと愛液が零れる。怜はそれを指で掬い上げ、「…うん。悪くない」と声に愉悦を織り交ぜて言った。  何が悪くないのか、梓は恐る恐る目を空けて怜を見遣ると、彼が自分の手指を舐めていて、手に付いたものが何なのかに思い至ると、梓は息を呑んで怜に手を伸ばした。 「やややっ! そんなの舐めちゃ!」 「? どうして?」 「汚いから!」 「そんな訳ないでしょ。アズちゃんなら全然問題なくイケる。今確信した」  怜の赤い舌が自分の手を舐め上げるのを梓に見せつけ、淫靡に微笑む。  腰がゾクリと震えた。
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