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第2話

「ティッシュ持ってないから、自分で拭けよ」 「口の端って、どっち?」  首を傾げる仕草が可愛らしくて、ドキドキを隠すのに必死になる。 「み、右側」  アイツは鞄からポケットティッシュを取り出し、指摘されたところを拭う。 「うわぁ、余計に広がってるぞ」 「嘘!?」 「しょうがないな」  右手を差し出すと、新しいティッシュが静かに置かれた。意を決して、大好きなアイツと向かい合う。  注がれる視線を意識しないように、顎の辺りを見つめた。右手の指先で持ったティッシュを使って、唇と頬に優しく触れる。  柔らかそうな肌をどうにも傷付けそうで、自分のように手荒に扱うことはできない。それでも早めに対処したお蔭か、無事にケチャップを落とせた。 「まったく。子どもじゃないんだし、少しは気をつけろよ」
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