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第5話

 私は、大きく頷いた。 「…うん。…きゃっ」  クロスは、突然私を抱きしめた。  カーディガン越しに、クロスの心臓の音がする。  私はきっと、耳まで赤くなっている。 「これって、プロポーズ…なのかな。羽織、本当に、いいの」  クロスは、私を抱きしめたまま、呟いた。 「ぷ、プロポーズ…?わたし、プロポーズ、されたのかな」  信じられないけど、どうやら、プロポーズの意味が込められていたらしい。 「羽織」 「ん…?」  クロスの腕の中で上を見ると、クロスは微笑んでいた。 「ありがとう」  微笑むその顔はやはり吸血鬼ではなく、天使だった。 「…愛してる…」
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