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GREEN FIELDS ④

 色々大変だったみたいだけど、今の君たちは幸せそうな顔してるよ。  クスッホント ほら、相方さんのアンテナがクルクル動いてる。  ……まあ俺たちの世界でも珍しい事ではない、よくある事だという。 もっと言うなら飼い主の事が大好きなあまり、タマゴを産んでしまうジョシもいる。 ニンゲンと我々の垣根を越えた愛の結晶 ”不思議なタマゴ”の誕生だ。 《へえ~~》  そのカイヌシって、”ニンゲン”の事だよね?  ニンゲンにどんなに心を許していても、俺たちの言葉はやっぱり通じない。 せっかく覚えたニンゲンの言葉は、俺の真心とは全く関係ないものだ。 《《・・・・・》》  待って!今キミ、ニンゲンの言葉が喋れるって言った!?  聞きたいか!聞いたお前はもしかしたら、俺のタマゴが産みたくなるかもしれないぞ? いいか?行くぞ! 「コンチキショーメ」  おばあさんが度々言ってるんだ。俺の二番目のお気に入りだ プッ どうだ、産みたくなったか? 産んでもいいぞ お前なら出来そうな気がする! 《《・・・。》》  ここにいる者の自分の持ってる時間は、それぞれバラバラ 誰に教わったわけじゃないけど、オレたちはそれを知ってる。 その間に自分がやらなければいけない事も 誰に教わったわけじゃないのにね…… 遊びながら 歌いながら 笑いながら ひとつの事の為に生きてる 時間がない? そんなヒマない? ねえ少しだけでいいから一緒の時間を作ろうよ それはきっと きっとさ……  最高に楽しくって 最高の思い出になる オレはそう思うな……  あ! ちょっと私、行って来る  ナンだ便所ならいいトコ知ってるぞ  違うよ! オナカ重くなって来たの?  うん ちょっと行って来るね~  待って!僕も行くよ  自分の行きたい所にすぐ行ってしまう彼女を、やっと見つける事が出来た。 いつもと同じ、君がこどもの頃大好きだったと言っていた、キャベツに君は停まっていた。 僕は君に聞こえるように呼んだ  けど…… 疲れて眠っちゃったのかな…… 出会った頃より君は随分スリムになったね。 遊びながら でも、ちゃんと君は君のすべき事をやっていた。 女の子ってやっぱりスゴイなって、オトコの僕はいつも思う。 だってオトコなんて オトコなんてさ…… 何でもいいから君の助けになれたらなって…… 僕はまだ死にたくない あの時真っ先にそう思って そしたら君が僕を呼んでくれた 風が吹いた時だった   君も一緒に        風と一緒に 一緒に           いってしまった……  僕は君を呼ぶ事さえ出来なかった…………  僕たちが持ってる時間はみんな違う みんな生まれて来た時が違うように 自分がここにいなくなっても まるで自分を残すようにそうしたくなる 自分の精一杯を生きる 後悔だけは残さない いや…… きっとそれでも笑ってる  ”全然平気だよ” って  あの子のように  僕がもっと生きたかった理由って? 命の時間の限り冒険してみたかった? 殻からやっと抜け出て見たこの世界は楽しそうだ もっと見てみたい こんな地上に出てたった数日 まだまだ満足出来ない するわけがない やるべき大事な事は分かっていたけど、僕は僕のままで色んなものを見たかった けど 不思議だね 君と出会って 僕がそれまで夢見ていた事は、瞬く間にどうでも良くなった ただ君と一緒にいると寂しいのを忘れられるって ねえ  こんなに来るのが早いと思わなかったよ もっと     もっと…… 君と一緒にいたかった    
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