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エッちゃんがいっぱい(僕らの昆虫採取N&O) ⑤

「聞いてくれよオレ、食べられちゃった  ……ハッッ!」 「なに?なんかゲームでもしてるの?」 「ア そ、そうなんだ ね、旺汰」 「へえナニナニ?面白いのソレ 俺にも教えてよ」 「その内に ね……」 「?……」  藤井 お前は彼女の事だけ心配してればいい。 俺たちは俺たちのやり方で、彼女の事を愛すから  な… 虹生……  自分たちの見えない所で、何かが動き出しているのかもしれない。 きっかけは誰も気にも止めない、小さな事。 それを教えてくれたのは、もしかしたらあの小さな生き物だったかもしれない。 彼女に自分の姿を見つけさせて、教えてくれたのかもしれない。 それが何か俺たちにとって、良からぬ事の始まりだったとしても 君を想う気持ちはずっと変わらないから 君の自然をいつも信じているから 誰かが君の名前をどこかで呼んでいても、それは そこかしこにいる君の気配を、ソイツも感じてる 分かってるって事だ。 知らないソイツの事が分かるような気がする。 君は俺たちが思いもしない事を連れて来たとしても、俺たちとトモダチである事は変わらない。 大丈夫……  ああ本当は、”俺”なんか捕まえなくたって良かったんだ。 そんなふうに君に見つめられると、君をいつもポケットにいれて出掛けたくなってしまう。 今日はどこの森に行く?昔、俺たちが遊んだ秘密基地に君を連れて行ってあげようか? こんな狭い所にいたんじゃ、きっと君は俺と同じものしか見る事が出来ない。 そんな小さなカラダでも、君はきっと君にしか見る事が出来ないものを見つけて、自分の好きな所に行くんだ。 君はいつもどんな景色を見てるのかな……      オータくん   今日も夕日がキレイだね……    そうだね ”エッちゃん” 今は君と同じものが俺にも見えてる 君は   どんな景色を見たい?…… 藤井に任せておけば……いや、彼女は大丈夫さ 何も心配に思う事はない 「虹生、今度の休みも晴れだったら月琴公園に行こうと考えてるんだけど」 「なに?また捕まえに行くの?」 「いや…… 今度は……」 彼女から預かった最初に頼まれてた それをしなきゃ ”この子をどこかに逃がしておいて”  あの子を自分の世界に放してあげようかなって……
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