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エッちゃんがいっぱい(僕らの昆虫採取N&O) ④

 その週明け、ユイヒと会う約束をしていた俺たちは、彼にその事を話した。 彼はそれを聞きすぐに 「それは”ユカリ”だ」 と言った。  ”恵風”という名前はそうそう聞かない。聞き間違いじゃなければその”ユカリ”かもしれないヤツは、エッちゃんの事を呼んでいたのでは…… もしもそうであればそれは大変だ。俺は虹生に自分が言われた”キモい”のどれほどかを、そこで改めて知った。 「なるほどそれは非常にキモい……」 「だろう? ”さすが”と”ヤバイ”が一挙同時公開の最高のキモさだった」 「……お前もヒトの事言えないよな?」 「……」  虹生も自分の机の上に、”エッちゃんとナナオ”がいた。 藤井は知らない俺たちだけの秘密だ。 その秘密は時が来れば交尾をし、やがて愛の結晶をこの世に産み落としてくれる……クスクスクス      それはさておき、 《 ユカリ・・・ 》 なんて身震いを誘う響きなんだ 良いのか悪いのか、彼女はこの”ユカリ”の事を 「う~んどんな人だったか思い出せないの あの時のバッタは覚えているんだけどね!」  彼女は以前、このユカリというオトコと会った事があるらしいが、捕まえたバッタを残しその時一緒にいたらしいユカリの記憶は、彼女の中には残っていないようだった。 さすがエッちゃんだ そんな君がまた愛おしく感じる。 今日、家に帰ったら虹生と君への愛を語りながら、愛も育もう。  虹…生……  エッちゃんって…… かわい いッ よな あッ  ぅっ……  あっ……  か…… かわ い……  いっ……  あっ……  ナ……   かわい…………  …………  旺  タッ…………  あッ……   あ  エッ……  わいッい……  藤井が知ったら……いや、彼女が知ったら悲鳴を上げられるかもしれない。 俺たちは仲良しなんだ。それはお前たちにも分かっている事だろう。 だから何て事はない…… でも言わないでおく  な、虹生。 彼女のかわいさは、俺たちの熱にもなる。 自分の肌を愛しい人に感じて欲しくなり、自分もまた愛しい人に触れたくなる。 自然の事だろう 君の肌を通った風が世界を回る 巡って運んで自然に還る命たち 熱かったり冷たかったり、それでも君は笑ってる    キライなものってある?  って聞いたらきっと君は    う~ん 何だっけ? って言いそうだね。 君がそこにいるだけで、きっと君が世界で息づいている どこにいても感じる 聞こえる 君の軽い足音と笑い声……
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