3 / 8

第3話

良かったと思ったのは、笑顔のまま硬直した事だった。 これが万が一にも険しい表情で固まっていたらと思うとぞっとする。 白い子、その意味がやっと理解できた。 色白な子、そういうニュアンスの意味だと思ったら本当に白い子だ。 席の一番後ろ、廊下から二番目の列。 高校生なら先ず気になるであろう転入生に全く興味を示さないどころか、突っ伏して眠る男。 少し見える肌も白いが、何よりも目に付くのは真っ白で長い髪だ。 アルビノ、という単語が真っ先に浮かぶ。 「皆さん仲良くしてくださいねー!」 先生のその言葉ではっと冷静になる。 「斎藤の席は一番後ろの廊下から一番目の席ですよ、空いてるからわかりますよねっ?」 笑顔の奥に少しの威圧感を感じるのはきっと、気のせいじゃない。 「はい。」 分かっているという意味を込めて微笑み返す。 生徒の間を通って行くと、割と校風は緩いらしい。殆どの生徒が髪を染めている。 殆どが茶髪か金髪、たまに赤なんかもいる。 ・・・やっぱり、白は一人だけだけど。 白髪の隣に座ると気付いたことがある。 この人、髪の毛ながっ・・・! 結われた髪は椅子の半分ぐらいまで伸びている。しかもどうやら男らしい。 寝ているのをいいことに凝視していると、顔がこちらを向く。 「・・・っ!」 思わず表情を作り忘れて驚いた。 「ふっ・・・」 馬鹿にしたように笑われて少しムカつく。 それも顔を見たらどこかへ飛んで行った。 ・・・綺麗、だ。 白い肌に高い鼻、形の良い鼻、二重も涙袋もくっきりしていて、瞳は透き通るような青色だ。 しかも左目の下にある、縦に並んだほくろが妖艶な雰囲気を醸し出している。 無意識に息を止めていたようで、息苦しさにはっとした。 うわっ!よりによってこんなヤバそうな人間の前で間抜け面・・・ 迂闊な自分が嫌になる。 そこからはひたすら、隣を見ないように先生の方を向いていた。勿論、内容なんて入ってこなかった。
いいね
ドキドキ
胸キュン
エロい
切ない
かわいい

ともだちとシェアしよう!