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第26話

 僅かに緊張を滲ませる表情と、グラマラスな体を覆う扇情的な黒いレースのそれがアンバランスで、ほの暗い欲望が目を覚ます。目に見えない引力のようなものでもあるのか、何も考えず彼女のもとへと近づいた。彼女の体から甘い香りが立ち上っていて、それに誘われるままに抱きしめそうになっていた。  俺をじっと見つめる彼女の頬を、指先で軽く撫でた。彼女の瞳がゆっくりと閉じて、開いた唇からため息にもにた小さな吐息があがる。彼女が目を開き、うっとりとした顔で手のひらに頬を摺り寄せてきた。しばらく見つめあい、どちらからともなく唇を重ねているうちに、彼女の体を抱きしめ更に深い口付けをする。小さな舌が一生懸命自分の舌に絡んできて、ぎこちないその動きにいじらしさを感じずにはいられなかった。  彼女の息遣いが荒くなり始め、唇を離し舌先で彼女の濡れた唇をなぞる。唇を軽く引っ張ると彼女の体がふるりと震えた。彼女の唇が離れ、頬を撫でていた手に彼女の小さな手が重なって、頬を押し付けてきた。目を細めながらほほ笑む彼女の表情は、とても美しく魅力的だ。すると彼女が俺の手を引いてベッドへ誘う。 「座って……」  彼女の指示に従いベッドの端に腰掛ける。開いた足の間に彼女が立っていた。 「きれいだ、悠里……」  彼女が身に着けているワンピースがはっきりと見える。薄い生地を押し上げる乳首が透けて見えていた。それだけでなく全てが透けて見える。  彼女の顔を見上げると、穏やかな笑みを浮かべていた。彼女の細い指が俺の髪の毛をゆっくりかき分けながら、潜り込んでくる。胸元に咲いている黒い大輪の花を指先でなぞると、彼女の体が震え始めた。乳房の周りへ指を滑らせたあと、腰のラインまでじらすようにゆっくり下ろす。ショーツのサイドにある結び目で指を止めた。 「後ろを見せて」  彼女がゆっくりと体の向きを変えた。そのワンピースは、背中から腰まであらわになったデザインで、その滑らかな肌から目が離せない。引き寄せられるように立ち上がり、彼女を背後から抱きしめた。彼女の長い髪の毛を片方の肩に寄せて、あらわになった耳裏に唇を押し付け吸い付いた。そこから首にかかったホルターネックのホックまで口付けしては強く吸い付く。むき出しの肩や首筋に次々と吸い付くと、彼女の息が苦しそうなものへ変わっていた。ホックを外したあと、むき出しになった首から肩に口付けしながら、彼女の乳房を手で包み持ち上げる。 「ああ……」  なまめかしい声に全身が再び熱を持ち始め、どんどん理性が溶けていく。上腕に彼女の手が伸びてきて、しがみつくようにしながら、体をくねらせるさまはとても淫らだ。薄いスカートの生地越しに柔らかな尻がペニスに当たり、動くたびにちくちくとした痛みを感じたが、それすら快楽になっていく。  彼女が切なげな吐息を漏らしながら顔を振り向かせた。何かを求めるその瞳は既に潤んでいて、彼女の体を支えながら、唇のあわいから舌をねじ込んだ。すると向かい合っていた彼女の手が、俺の胸に添えられ押しのけようとする。  ゆっくりと彼女の体が離れていく。ベッドの端に再び腰掛けると、彼女が腰を落としながら俺の首筋に顔をうずめた。柔らかな唇が肌に当たる。指先が肌をくすぐるように撫でていた。彼女の唇や指先が触れるそばから、そこから痺れに似たものが走り、それらがどんどん腹の奥に溜まる。怒張したペニスがずくずくと疼きだし、彼女の唇が胸のあたりにきたとき、一瞬柔らかな乳房が先端に触れた。息が上がり、切羽詰まった息が漏れる。  彼女は腰を落とし、俺の両腿に手を添えてそろそろと唇を這わせていく。柔らかいものが触れるたび、そこから震えが走った。彼女の長い髪の毛が肌をくすぐるように肌の腕を落ちていく。ペニスの先に何かが触れて、そこから腰の奥にずくりと鈍い疼きを感じた。思わず声が漏れる。  腿に置かれた片方の手が離れた直後、そそり立っているペニスに彼女の指先が当たった。恐る恐る触れているようで、かすかに指先が震えている。その震えが与える刺激に腰から震えが走る。まるで真綿で首を絞められるように、じわじわともたらされる中途半端な快楽は、とても辛いものがある。まるで拷問のような甘い責め苦にさいなまれ、全身の皮膚からじっとりと汗が噴き出してきた。  喉の奥から声が漏れそうになっているのを、歯を食いしばり必死になって押さえ込んだ。だがそれに反して中途半端に与えられ続ける刺激は、体の内側でどんどん大きな刺激に膨らんできて、いつ爆ぜてもおかしくないところまできていた。臨界点ぎりぎりのところまで駆け上がったとき、張り詰めたペニスに柔らかなものが押し付けられた。思わず彼女の姿を見下ろす。 「ゆ、悠里!」  すると先端が熱いものに包まれた。そしてねっとりとした動きで舌を絡められている。音を立てながらペニスに吸い付かれ、しかも根元を指で扱かれているものだから、もはや限界を迎えそうになっていた。体が小刻みに震える。 「こら、やめろってば、悠里!」  なけなしの理性を呼び戻し、腰を引こうとするのだが、彼女の腕がしっかりと腰を固定していて動けない。そればかりか、いきりたって今にも爆ぜそうなペニスが生暖かいものに包まれて熱い舌で扱かれる。腰が跳ねる。体がこわ張りすぐにブルブルと震えた。 「く……っ! うっ!」  危うく爆ぜそうになるところをどうにか耐え切った。彼女がペニスを咥え込んでいるのは明らかで、もはや理性など先ほど耐え切ったときにすべて焼き切れてしまった。彼女の口が、舌が、指がもたらす官能に身を任せていると、腰が勝手に動き出し更なる快楽を求めていた。  どんどん息があがる。腹の奥からペニスの根元に感覚が集まっていく。彼女の頭に手を添えると、柔らかな髪の感触が手のひらから伝わってきた。もっと奥まで刺激が欲しくてたまらない。彼女の頭を押さえつけて、喉の奥まで突き入れたい衝動が襲い掛かる。  すると突然ペニスの先から根元まで刺激が走り、思わず背をのけ反らせた。強い電流のような痺れが背筋からペニスの先端に向かい走っていく。頭が真っ白になって、快感がものすごい勢いで体を突き抜けた。 「だめだっ、イくっ、悠里っ!」  全身が戦慄く。彼女の小さな頭を思い切り腰に押し付けそうになり、必死でそれを押しとどめるのがやっとだった。脚ががくがくと震える。ものすごい勢いで吐精した。そのとき彼女の頭がビクンと動き、やがてペニスに吸い付く音が聞こえてきた。まさか、飲もうとしているのか?  それを止めようとするが間に合わず、彼女は全て飲み下してしまったようだった。全身に強い緊張が走った直後、温かなものに包まれ体から力が抜けていく。全ての感覚がそれぞれに戻り、指先に彼女の柔らかな髪の毛が触れる。欲望の全てを吐き出したペニスから生暖かいものが離れていく。全身が熱い。彼女を見下ろすと、不安そうな顔で俺を見上げていた。 「悠里」  体に力が入らなかったが、どうにか声を振り絞り彼女の名を呼んだ。彼女の顔が怯えた表情に変わり、今にも泣きそうになっている。彼女の体に手を伸ばし、強引に抱き寄せ唇を奪った。無理やり唇を割り開き、舌をねじ込ませる。そして彼女の小さな舌をなぞり、荒々しく舌を絡めた。一気に体が火照る。だが彼女の苦しそうなうめき声に気づき舌の動きを抑えると、彼女の小さな手が両頬を包み込んできた。ゆっくりと唇を離すと、濡れた唇に彼女の荒い息がかかる。 「全く、とんだ元処女だな……」  彼女の潤んだ瞳を見つめながら話すと、彼女が笑みを浮かべた。そして再びゆっくりと抱き合い唇を重ねる。彼女の背中を撫でながら耳に唇を押し当てた。 「悠里、おいで」  彼女の腕が首に回されまた唇を重ねる。そのまま彼女を抱きかかえ、柔らかなベッドに彼女を倒し覆いかぶさると、待ちかねたようにほっそりとした脚が腰に絡まってきた。
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