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第48話

「――近貞」  幾度も重ねあい、赤く腫れぼったく濡れた唇から、熱いものがこぼれた。 「かぐや殿」  近貞の声も、同じように熱い。 「近貞様、ほら――」 「あっ」  久嗣が私の膝を広げるように抱えて、近貞に見せた。はっとして目元を赤らめた近貞に、私の秘所が晒されているのだと認識して、湧き起こった羞恥に足を閉じようとすれば、耳に舌を差し込まれた。 「ふ、んっ――」  ひく、と谷の肉が動くのがわかる。それを、近貞に見られているなんて。 「欲しく無いの?」  久嗣の声が、低く流れた。――欲しい、と言いかけて私への問いかけじゃないと気付く。情けないほど迷う近貞の目が、私を通り越して久嗣を見ていた。 「しかし、かぐや殿は兄上の望まれる姫だ」 「それは、曽我の朔姫だろう? ここにいるのは、かぐやちゃんだ。あの夜、近貞様のように月を射ぬこうとした、かぐやちゃんだよ」  深く息を吸いこんだ近貞の胸が、盛り上がる。息を溜めて、心の中で自分の気持ちのありかを探す目を、見つめた。  庭草の中で、届いたと笑った近貞の胸に、勘違いでは無く想いの矢が到達していてくれたなら。 「……かぐや殿」  そっと身を乗り出した近貞の肩が動き 「っ、ん」  さわりと茂みに指が触れて、足の指を握りしめる。おそるおそる谷の中に入り込む指に、まじまじと見てくる近貞の目に、あふれる想いが蜜となって川のように流れていく。 「こんなに、濡れ光らせて」 「は、ぁ……あ」  くち、と濡れた音が、うっとりとつぶやいた近貞の声と合わさって脳を甘くしびれさせる。 「近貞様と、繋がりたがっている証拠だよ」  久嗣の声にはっとして、近貞が私を見つめた。――本当に? と問う不安げな頬に手を添えて、頷く。安堵の息を漏らした近貞の指が私から外れ、久嗣が頬に唇を寄せてきた。
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