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第2話

 美優が、八重子のブラジャーの紐に指をかける。うっすらと肌に残る紐の跡に、美優の唇が落ちた。 「……美優ちゃん」  か細い声で八重子が呼べば、美優が困ったような顔で微笑んだ。 「ごめんね」  美優は何を謝っているのだろう。八重子が疑問を瞳に浮かべると、察した美優が八重子の首筋に顔を埋めた。 「女だって、騙してた」 「……」 「こうやって、八重ちゃんに酷い事をしようとしてる」 「……酷い事、するの?」  八重子の喉が震えた。美優の腕が八重子を包む。 「愛したいだけ」 「じゃあ、酷い事じゃないよ」  八重子も美優を抱きしめた。 「私も、美優ちゃんが好きだよ」  噛みしめるように、八重子は口にした。 「だから、大丈夫」  ぎゅっと八重子が腕に力を込めると、美優の腕にも力が込もる。 「謝らなきゃいけないのは、私のほうだよ」  美優のぬくもりに目を伏せて、八重子は胸の中にモヤモヤと抱え続けていたものを吐き出した。 「甘えてばっかりで、ごめんね」  美優に頼りすぎていた自分を、変えなければと思いながら実行できなかったと告白すれば、美優が八重子の肩にキスをする。 「もっと、甘えて欲しい」  顔を上げた美優が、頼もしい光を瞳に湛えて八重子を見つめた。 「もっと、頼って欲しい。――愛してるんだ。八重ちゃんを、誰よりも愛してる」 「……美優ちゃん」  八重子の額に軽く唇を押し当てて、美優が願う。
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