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第3話

「でも、さ、お見合い嫌だって言っても、その人と結婚しないと店潰れるんじゃ……」 「潰れはしないし、兄も1人前の職人になったって言ってる。あたしが嫌なだけよ」 「相川に彼氏とか婚約者がいたら回避されるのか?」 「言われたことないけど……いけそうだったら無理矢理にでもみとめさせるかしら」  さっきから急にどうしたの? と飴子は笑った。校舎が見えてきて、圭一は無意識に焦っていた。ゼミの教室に入ってしまえば、はぐらかされる、と思った。 「もし、万が一、そいつとの結婚が嫌で、俺なんかが出来るなら……回避させたい」 「……え?」 「だからっ、その……俺じゃダメか?」 「……福永、くん……」 「ま、まぁ、俺んとこは高貴な血筋でもなんでもないし、犯罪を犯してない以外は特に優れた何かを持ってる訳でもないし、俺自身も成績優秀じゃねーけど」 ――自分には、高嶺の花なのも分かってるけど。 「今見てきた通り、甘いもの嫌いで激辛系ばかり食べてるけど?」 「それは……自分が食べなければ……俺も、相川さんに甘いもの無理強いしない」 「ふふ、変なの」 「……ダメ、かな」  午後の講義のために登校する学生が、ジロジロと二人を見ながら門をくぐる。それでも今の二人に周りは見えない。 「いいよ」 「……え?」 「いいって言ったの。欲しい答えじゃなかった?」 「い、いやっ、欲しいです! じゃなくてっ」 「ふふふっ、ふ、あははっ」  顔を真っ赤にして慌てる圭一に、飴子は笑いが止まらない。圭一の今まで見ていない一面に、興味が湧いた。 「じゃあ、これから親と見合い相手に勝つために色々頑張らないとね」 「あぁぁ……そうだった……」 「大丈夫、親も職人仕事以外は普通の人だから」 「……不安だ……」 「今までの威勢はどこ行ったのよ」  固まる圭一の唇を人差し指でつついて、飴子は門に向かって歩き出した。 「キスしたければ、まずプリンに生クリームを乗せるのをやめることね」 「ま、待って相川さん……それは相川さんにタバスコ禁止してるのと一緒……」 「違いますー!」 「お願い山盛りは我慢するから……」 「どうしようかなー」 「相川さーん!」 End
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