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Act.5-02☆

「甘さと苦みがほど良く混ざり合う感じ、とか?」  自分でも何を言っているのか分からないと思いつつ答えたけれど、真都さんにはそれが満足のいく返しだったらしい。 「じゃあ、俺が甘いアイスで奈波が苦いコーヒーってトコかな?」 「――普通、逆じゃないですか?」 「奈波の方が俺より冷静だろ?」 「冷静ってわけでもないと思いますけど……」  適当に濁しながらも、的を射ているとは思った。  ふたりきりの時の真都さんは甘い。  どこか幼さも垣間見せるし、現に今も十歳も年上とは思えないほどの甘えっぷりだ。  それに対して、私はふたりきりでも甘さとは無縁な気がする。  普段は気張っている真都さんを支えるため、私が大人になって真都さんにとっての居心地の良い場所にしようと思っているところは確かにある。  元々、私は何故か年上年下に関わらずに甘えられる傾向にあったのだけど。  そんなことを考えている間に、真都さんの身体が離れた。  ナカから真都さん自身を抜かれると、少し淋しさを覚えた。  真都さんは黙々と避妊具の後始末をする。  そして、濡れそぼった私の秘所もティッシュで拭い、ひとしきり終わってから私に腕枕をした状態で横になった。 「いい加減、出しっぱなしの食器を片付けないと……」  そう言いながら身じろぎするも、「ダメ」と真都さんは許してくれない。 「言っただろ? 今夜は寝かせない、って」 「食器を洗うのもダメなんですか……?」 「そんなの、朝になったらやればいいだろ?」 「――衛生上良くないです……」 「いいよ。どうせここは俺のウチなんだし」 「そうゆう問題じゃないですよ……」 「いいから。今夜は俺の好きなようにさせてもらう」 「――まさか、まだやる気ですか……?」 「少し休んで体力回復したらね」 「――何回目ですか……」  私は深い溜め息を吐くのが精いっぱいだった。  さすがに疲れている。  いい加減寝たいと思うのだけど、本気で寝かせるつもりはないらしい。  天使の面した悪魔が私に無邪気な笑みを向けてくる。  怖いと思いつつ、もう諦めるしかないのかと覚悟を決めた。 「楽しみはこれからだよ、奈波?」  甘いだけではない。  私をどこまでも酔わせようとする魔力もある。  真都さんはブランデー入りのアフォガードそのものだ。  ――きっと、気付かないうちに溶かされてしまう。たくさん……  真都さんに抱き締められながら、私はぼんやりと考えていた。 [ビタースイートに隠し味-End]
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