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混線したトモダチ ④

 席に戻る時に旺汰が自分を見ている事に気が付いていた。 けれどオレは彼の方を見る事が出来なかった  そして 「ナナくん 今エッちゃんから聞いた ごめんねありがとう」  彼に”笑み”の表情を作って見せそう応える事しか出来なかった。 ついさっき、彼女から預かった彼のノートを無言で渡した。 彼もオレの大事なトモダチ……   オレのギリギリだった……………  ねえ 虹生    お前がそんなに辛いなら………  待って ……ちょっと待って……  ごめん…  オレがこんな事言うの、本当おかしいんだけど…… ホント……おかしいんだけど……  待って… 自分でちゃんと整理するから……  俺たちがそもそも…   だから別に……  旺汰待って……      だって彼女には…… ………………… オレはなんて…      なんて……ズルイんだ………………………… 女の子をちゃんと好きになった事なんて今まであっただろうか…… 興味はあったけど……  異性に対しての初めての感情? ……いや、性別関係なく旺汰が初めてだ…… 旺汰以外にこんな気持ちになった事なんて一度もない 普通だったらそこから先をどうしたいかって、どうなりたいかって自然に自分の中に湧いて来る 例えば告白するとか手を繋ぎたいとか…… キスしたいとか…… 旺汰のともどこか違うように感じる それは”トモダチ”って枠ではないから って事なのかな  オレのこの気持ちはきっと、彼女に”キスしたいくらい好き” っていう”好き”だ…… 抑えてるんだ 目に見えないものを……  欲しくて欲しくて  でもすぐそこにあるのにすごく遠くて触る事も出来ない 許されない…… 苦しい… 苦しくて仕方ない…… どうしたらいい…  きっと どうにも出来ない……  苦しい……  彼はきっとそこまでオレの事を分かっているのかもしれない だから 自分が負担になっているのならと…… ……違う…  違うんだ  旺汰……   オマエに何も感じなくなったわけじゃない  ウソじゃない 大好きだよ旺汰 オマエの全部が好きだ オマエはオレの”トクベツなトモダチ” けれど…  どうしてだよ……   彼女にもちゃんと大事(トクベツ)なヤツがいるじゃないか……      「 バカか…   オレは…… 」 彼女の事を呼ばなければ良かった 今になって後悔した  胸がザワザワとして、カラダが黙っていられなくなる 隣の教室を覗くとひとりでバスを待ってる彼女の姿が見えた 「藤井の席にまた座りに来ないかい?」  彼女を自分のそばに呼びたいだけの、ただの中身のない便利な誘い文句だ。 彼の名前を使ってまで彼女を自分に振り向かせたいなんて、どうかしてる…… どうかしちゃってるんだ…  オレ………
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