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”マジック”を侮るナ! ⑥

☆… 気のせいか…… キミの周りだけキラキラとした朝の新しい清々しい光りと、木々の葉を静かに揺らす風が爽やかに取り巻き そして 天使が溢した涙の雫を乗せたようなそのフワフワキュートな唇は、いつもニッコリ微笑んで 全てを包み込むようなそのやわらかな仕草は、オレの心臓を鷲掴みゲットしているよう… そこに潜んでいる地縛霊までも、キミにフォーリンラブしてしまいそうな威力だ……アアッ… ああ……  その…  髪の毛をサラッとさせただけで香って来るこの馨しさ… 知らない間にお花畑に埋められてしまったような錯覚に陥る…… キミのお花畑に誘われる……(どうしても目が行っちゃうよ…) そして 鳴らすと幸せになる鈴のようなオレの名を呼ぶ その声…… ……なるような、じゃない 幸せになる…  幸せだ…… オレの幸せはすぐそこだ  エッちゃん 呼んで… 呼んでよ……  オレの事を見て…… …………………☆ ☆ 「ナナオくん!」  ボンヤリしていたらしいオレは波から逃げ遅れ、彼女に腕を掴まれて後ろに引っ張られた。 慌てたオレは彼女の脚に自分の脚をぶつけてしまい、そして絡まるようにふたりで転んでしまった。  時が止まる・・・ ドキン・・ ドキン・・ド・  心臓の音がやけに聴こえて来る…  ダレの?  ドキン・・ドキン・・・  その音… 随分昔に聴いた事があったような……  すごく安心する音……・・・ トクン… トクン… トクン…… …… … …  ねえ… 君と俺…どっちに似た子が生まれて来るんだろうね……  クスクスクス… 遠くのような近くのような 聴こえて来る小さな声……        父さんと母さんの声だ……… ゆっくり ゆっくり……  待っている  ぼんやり明るいただ幸せな時間の中を  ゆらゆら揺れて……    ナ オ…   …  ナナオ……  ずっと何か手に持っていたような気がする…    何だったっけ……   何だ った け……     フワフワだ……         そうだ そのお花…………… 「 ナナオくん 」 喜びの鐘のような笑い声と一緒に聴こえた  鈴が小さく揺れたように呼ばれた…… なまえ……  オレの…  なまえ……… ア・・・  オレは彼女を下敷きにしてしまった。目が合ってすぐにオレたちは離れ ”大丈夫だった? ごめん” って、声を掛ける事も出来ないほど、自分がどこかに行ってしまった。 一体 どの位の時間そうしていたのか、分からない オレはどこか別の所にいた  そこは 懐かしいような不思議な場所…… ドキン・・ドキン・・ドキン・・ドキン・・・・・・・・ …… フワフワだった……     ドキン ドキン ドキン…… 先に話し掛けて来たのはキミから ゴメン… 謝らなきゃいけないのは、オレなのに何にも言葉が出て来ないんだ… 「ごめんね いきなり引っ張ったから…」 「…… ううん… 濡れずに済んだよ……」 本当にごめん…  なん… か………  言葉が出て来なくて…………… 「ああ… 砂だらけになっちゃったね」  そう言ったキミは、オレの服に付いた砂を払ってくれた。 エッちゃん キミの方がオレより砂だらけだ だって オレの下になったんだから…… 「あっ…」 倒れる時にキミが出した声が、まだ耳に残ってる キミは藤井に 藤井だけにどんな声を聴かせているの        聴いてみたい…………… 一瞬だった   ……………
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