147 / 205

”マジック”を侮るナ! ④

 今日の目的のひとつである”スワンを漕ぐ”、乗り場を見ると大変な行列が出来ていた。 [2時間待ち]の表示に、俺たちはひるんでしまった。 「ウワ~~…」「ま、休みだしね…」「どうする?並ぶ?」  迷ってあとでまたここに来て決めようとして、一旦そこを離れた。 湖まで来て、波打ち際に辿り着いた。俺と藤井はそのそばの乾いた砂利の上に腰を下ろした。 「お前、サイテーだな いっつもアーなのか?彼女が嫌がるのもムリはない 終いには彼女に逃げられて、そして彼女は俺に助けを求めに来たようなモンだぞ」 「エッちゃんがそばにいると、どうしてもそうせずにはいられなくなるんだ… かわいいと思ったら、手が勝手に動いてしまう…… お前はナナくんにそうならないのか?」 実はガマン出来なくて、外で……   でも、ダアレもいない所でダ! 「お前と一緒にするな!!」  ま… 気持ちは分かる… 藤井には言えないが……虹生にも言えないが……彼女はとてもイイニオイがした……頭の中がそこに誘われそうになった……・・・  繋いだ手は小さくて、スベスベしていた オトコの俺や虹生と違って、君はオンナノコ…  改めて感じる不思議な感じだ… 気を付けないと、ウッカリ彼女の手を自分の指が ナゼナゼ と動かしてしまいそうに何度もなった。 そして、腕に触れていた…… とても気持ちが良かった……・・・ フワフワ・・・   イイな~~  フジイ・・・  そんなコトを考えてしまった…… いつも隣にいるのは虹生だ そのせいで余計に小さく、頼りなく感じた彼女の事が、かわいらしく思えた。 彼女が俺の隣に来てくれて良かった 嬉しかった…… 虹生が彼女と手を繋ぐ事が出来たら、彼の感想も聞いてみたい…… 「……三島……  お前… 顔……なんか、ヘンだぞ…」 「!!」 「さては、”エッちゃん”の事考えてたんでしょう」 「バッ……・・  ……虹生にはナイショね…」 「……~……」 虹生とエッちゃんは、波打ち際で何やら話し中… 俺と藤井はそれをボンヤリと見ていた  俺や虹生は今の彼女しか知らない。 けど、藤井  お前は彼女の……彼女が……”ペッタンコ”の頃から知ってるんだよな…… お前は彼女の成長を、ずっとそばで見て来たんだよな… なんか……  羨ましいな…… 湖の静かな波の音が聴こえる……  それに浸りながら、ふたりの事を見ていた  はあ・・・ 藤井のココロの声が聴こえたような気がした  《 カ ン ワ イ イ ~~ ・ ・ ・ 》 「…………………」 確かに彼女はかわいい 確かに…… うん…  たしかに   たし…… ・・・・・ カ ン ワ イ イ ~~ ・・・ ・ ・ ……… … …… … … 《 ハッッッ!! 》  もしやコレが藤井がいつも言ってる 《 不 思 議 な エ ッ ち ゃ ん マ ジ ッ ク 》 !!?? というヤツか!?・・・・・だとしたら、ヤバイぞ! どうしよう…こんな… 聞いた事もないヘンなモノ…… 「ナ…!」 ダメだ… 今、彼のジャマをしたら、きっと怒られてしまう 「せっかくエッちゃんと楽しくお話してたのに、旺汰のバカ!スケベ!触るなクソヘンタイ!!」  彼を怒らせてしまったら大変だ。しばらく”オアズケ”になってしまう……。 どうしよう… ドキンドキン…  かわいい…… ア…・・ エッちゃ……  ドキンドキン… かわい…… さわ…  触り……ダッコした……ィ…… ヤバイ…  ヤバイぞ……  苦しい…… 何だこのドキンドキンは……!!   そ、そうだ! 「エッちゃんの かわいい藤井 ちょっと、ボート乗り場に行ってみないか!!」 「ん?」 《ハッッッ!!》 『……………………………』 ”不思議なエッちゃんマジック”…… オソルベシ・・・・・  藤井に言ってしまったその間違った言葉は、自分のダメージになった。 落ち着きをスッカリ失った俺は、ここで大きなミスをしてしまう。 今、たった今… 彼女は”キケン”だと気付いたのに、彼女と自分の大切な想い人をそのままにしてしまった。……
いいね
ドキドキ
胸キュン
エロい
切ない
かわいい

ともだちとシェアしよう!