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彼女のリボン ④

 ”三島くんとナナオくんがおかしい”??? それを聞いた私はミズキの肩越しから、彼のクラスに何となく目が行ってしまった。 すぐに彼らと目が合って、私に笑って手を振ってくれたの。 だから私も笑ってお返ししたんだけど… どこがおかしいんだろ…… 「エッ ちゃん!」 「な… なに?」  ミズキが何に怒っているのか、そんな気配を感じたの。 でも私、昨日何もしてない……机にイタズラ描きしただけ… 三島くんもナナオくんも関係ない…… ア……”プリンの目”だ…  ヤバイ……  エッちゃんは怒ると、”プリンの目”になるんだ。 お人形のような大きなマルイお目々のエッちゃんが、下から俺をジッと見た時に、プリンがふたつ並んだようになる。 ……とてもキュートだ…… 「そんなに私のイタズラ描きが気に入らないの… 分かった……」 「!… エッちゃん?」  エッちゃんは、ホッペを膨らませれるだけ膨らまして、自分の教室に戻ったと思ったら、デッカイ消しゴムひとつ持ってそのまま俺の教室に向かって行った。 「ああ違う! そうじゃないんだ!」 「なに!」  と、片足で”ダンッ!”と一回廊下を蹴り鳴らした。 ……怒ってる… ダメだ… もう、正直に言おう……。 「あのね… 三島とナナくん、君の事”かわいい かわいい”って、今朝から騒いでるんだ」 「ぇえ!?」 「君の事を誰かが”かわいい”と言ってくれる事は、それは俺にとっても嬉しい事だけど…       ((藤井!かわいいエッちゃんと、手を繋ぎたい!!)) 君はとってもかわいい女の子だからね… 今朝から急にふたりして言い出した だから、昨日何かあったのかと… と、とりあえずまた後で… 戻んないと…」  休み時間終了の鐘が鳴り、俺たちはそれぞれの教室に戻った。 ふう… ナンなんだコレは… エッちゃんがかわい過ぎるのも困ったものだ。 俺の 愛 の チ カ ラ をもっと強化しなくては……  ミズキ以外のオトコから言われる”手を繋ぎたい”は、真っ白な君にはきっと、 ”君とセックスがしたい”と言われてるのと同じ位の恐怖を感じる事だろう…… だからミズキはちょっと言葉を変えて君に伝えてみたよ… ……昨日… ナニが彼らにあったんだろう……???  ”昨日何があったの”って……何があったかな… 私だって分かんないよ… ナナオくんと少し話をしたくらいで…  私、ナンかヘンな事言ったのかなあ……  昼休みになっても、何かをずっと考えてる様子のエッちゃんで、俺はいつもの調子で話が出来なかった。 でもやっぱり気になるのは、昨日の事… どう聞いたら彼女の機嫌を壊さないだろう……  彼らが本当に君の”マジック”に掛かってしまったのかを、俺は真相の究明を働かさなくてはいけない… 一刻も早く…! まだ間に合うのなら、対策を立てなければならないのだ!  ミズキのジットリした視線が気になって、ただの話も出来ない雰囲気。 お弁当箱片付けて私たちはいつものように、だけど、今日はふたりとも黙ったまま廊下に出た。 そして思い出しながら昨日の話をいつもの窓際でミズキに話した。 話しながら自分でもコレと言った思い当たるフシは見つからない。 どこに私が急にかわいくなる事があるの? 話をするだけでかわいくなるの? 本ッ当、おかしいったら…… 「ね? 特に気になる事なんてないでしょう? 遊んでるんじゃないの?」  と、またついウッカリ目がミズキのクラスに行ってしまい、と目が合ってしまった。 今日はヤケに合うなあ…   ……・・も もしかして……見られてるの?
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