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Ettyan skip ③

「藤井 どうした?」 ちょうど担任の教科の授業だった でいるのが辛くなり、机に伏してしまった。 「今日もここの先生いないよね… それで有名だけど、その方がいいって時もあるよね それ知っててワザとかも… なんて話あるの、聞いた事ある」 あれからすぐ保健室に行けと言われた俺は、ナナくんに付き添われてそのまま彼も一緒にいる。 「ごめん…ナナくん具合悪いわけじゃないんだ… だから、俺は何ともないからお前は戻れよ」 「いいよ…どうせ、今から戻ったって…… そんな事より、どうしたんだよ 昨日からなんかおかしくない?」  保健室の閉められた、日に焼けて黄ばんだカーテンのそばで、彼は俺に真っ直ぐに視線を向けて話す。さっきまでの青空は見えなくなってしまったけど、カーテンを通った日差しに当たる彼の端々は、溶けるように透けて眩しく見えた。 「……………」 「……話せない事なら、無理に話さなくてもいいんだけどさ… でも…お前が元気ないと…」 「エッちゃん…  エッちゃんはさ……」 「ん?」  彼女はいつも俺の隣でスキップしているような女の子だ。 ポケットからかわいい小物や、キラキラしたアクセサリーを零しながらスキップしてる 彼女のスカートの裾から時々覗かせる、フリルやリボンやドキドキさせるカラフルは、いつも俺に夢を見せてくれるよう 彼女のそばにいるだけで、俺はいつも幸せな気持ちになれる 泣いたり怒ったりする事もあるけど、いつも いつも 彼女は俺に笑ってくれる…… 「……。……」 「藤… 」 不覚だ… うっかり彼の前で堪えていた涙を落してしまった 「エッちゃん生理来たんだ」 「!…」 「なら、ホッとする所だろ?考えてた事が、全然身の丈に合ってないって事も分かってる  でも… 俺は彼女を泣かせちゃったんだ……俺がそのキッカケを作ったんだ… って、考えてたら もう辛くてダメだった……」 「……彼女は?何て言ってるの? 泣いて…」 「彼女は今は… 笑ってるよ… 俺の前だからかな」 「藤井… 気持ちは分かるけど……」 「……うん…」 「オマエがそんなんじゃ、エッちゃんがかわいそうだ」 「うん… そうだな……」 「そうだよ… バカだな……」 「うん バカなんだよ… 俺……」 「オレは… オマエとエッちゃんの事が好きだから…」 「?…」 「オマエたちが一緒にいるのを、まだここで見ていたい」 「……………うん…  そうだね……  ありがと… ナナくん……」 「仲直りは出来たのかい? 今日はエッちゃんの事、たくさんダッコしてあげなよ」 「……ん……」 「”言われなくてもそうする”って? クス」 「クス… ”エッチ!”って、俺言われてるし…」 「”スケベは愛だ” って、旺汰が言ってた」 「三島が? ……あ、確かに……」 「ぇえ~ そんなモン?」 「そんなモンだよナナくん ”愛”だ…  だって、人間忘れたように自分の本能だけの姿を見せられる唯一の存在なんだよ? 他にはいないよね? そう思わない?」 「……そう… だな…… ”ニンゲン忘れるほど?”… プ…」 「ちょっと……大袈裟か……」  彼に授業さぼらせてまで話を聞いてもらってるうちに、その日の授業の終わりの鐘が聞こえて来た。自分の内側を出して、俺も随分落ち着いた  彼のお陰だ。 「いつもお前に慰めてもらってばかりだ 何かの時は俺の胸貸すからいつでも言って?」 「オマエより、エッちゃんの方がいいって言ったら怒る? 許可ちょうだいよ」 「エー…  エッちゃんがいいって言えばね…」 「ヤッタ!」 いつもの俺なら”ダメ!”って言ってたかもね… お前の事、好きだよ だからエッちゃんにも教えてあげたいな 俺の大事にしてるものを
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