113 / 218

もっと君の中に入りたい… ⑦

「それで……  すごく怒っちゃって……」 「……うん…」 彼女の話をオレは真面目に聞いてる… 「”怒らないで、どうして怒るの”って、ミ… に言えてもね、その……には”私の事、好きにならないで”って、そんな事言えない…」 「……………うん」 聞いているんだけど……  うん… 聞いてるよ……ちゃんと…… 「”もう私には好きな人がいるから” って、ごめんなさいは言えるけどね」 「うん……」 彼女の表情、ひとつひとつの仕草  ずっと目が追ってしまう ……別に…  特別な事はしていない……   なのに…… 「誰かを好きになるのに、ダメもイイも最初からないよね? だから怒らないで欲しい だって、間違った事をしているわけじゃないんだから」 「……………」 クルクルと動く瞳の先を思わず辿りたくなる 会話の最中の息継ぎの度に動く 胸元にも目が行ってしまう…… 「でも… ミズキの気持ちが分からなくもないんだ……  しっかりとした”約束”が欲しくなる……私も同じだよ あれば、欲しいくらいだよ ……今はそれが何なのか分からなくて、余計に不安になるんだ」 夕日に照らされてるキミって…  すごくやわらかそうに見えるね…… 「そうだね……」 「そんな”約束”を誰から見ても分かるカタチにしようとしたら、ナナオくんは何だと思う? ナナオくんは三島くんとの”約束”にしているもの、もう持ってる?」 「”誰から見ても”……  難しいね……」 「ね… 難しい… コッチがどれだけ思っていても、空気と同じになっちゃう おまけに不安定……  でもね… もしかしたら、私、スッゴイ事が出来そうなの」 「へえ…  なに?オレにも教えて?」 彼女はそれまでと変わって、表情を明るくさせてとても嬉しそうだから、余計に気になった 「まだ   ヒミツ…… って言うか、まだどうなってるのか分からないの…」 「……………・・!」  そうか… そうなんだ……  エッちゃん、キミはそういう気持ちでいるんだ…… 藤井が知ったら、何て言うかな…… に、しても…  真っ暗な藤井と違って、 エッちゃんキミ……  すごく…… 「虹生 ここにいたんだ」 「あ… 旺汰…」 オレたちはエッちゃんが乗ったバスを見送った 「藤井がしきりに”エッちゃん エッちゃん”言うのが、分かった気がする…」 「……ふーーん……」 「クス… ナンだよ旺汰……」 「………別に……」 「ナンだよモウ! ハッキリ言えよ! ……分かった 今度、藤井の事は放っておいて、オレたちがエッちゃんの所に行こうよ」 ”ヒミツ”と言って笑ったキミがすごく眩しく見えて、そして一枚の写真のようにオレの中に残った
いいね
ドキドキ
胸キュン
エロい
切ない
かわいい

ともだちとシェアしよう!