63 / 205

★赤ちゃんを作る練習★の前に… ⑤

「どしたの?エッちゃん コッチおいでよ」  言うのと同時に伸ばして来た手に引っ張られて、どうやったのか簡単にベッドに寝かされてしまった。さっきミズキが言った通り、私の体重やらを覚えたらしい扱い。 意外にあった彼の力量は、だと実感した。 それまでは自分と変わらないように思っていた。だってね、”やっぱり男の子だなぁ…”なんて思う場面が今までなかったから… だと思う。 くっ付いたスティック糊の蓋が開かなくて、開けてもらう事はあったけどね……    なんか……ズルイなあ…… ミズキは自分の男の子を私に見せないでいたんだ。  私だって、自分の事をミズキと違う女の子だ って、そんな態度でいつもいなかった。 ヤンチャやってはしゃいで怒られる事はあったけど、そこに女の子だからっていうトクベツ扱いをされてる意識はなかった。 でもミズキは私の事を自分とは違う女の子だって、ずっと思っていたのかな…… 私は近頃、ドキドキしたり フワフワしたりと、忙しい 今も眩暈がした。 息付く間もなく、ミズキは私を抱え込むようにして、顔中にキスをして来る。 「ミズキ!ダイちゃんみたいだよ!クスクスクス…」 「エッちゃん大好き~ ダイちゃんもそう思ってるんだよきっと」 「私もダイちゃんスキ!」 「ねえ エッちゃん」  ひとしきりのじゃれ合ったあと、パタッと仰向けになりふたりで天井を見ていたら、私のお腹に手を乗せて来たミズキが静かに話し出した。 お腹の全部を覆ってくれるようなミズキの手の大きさと重さ、そして体温が安心をくれるようにあったかい。 「ミズキィ…そこに手を置くの、お決まりになっちゃったね… 私、もう生理終わったのに」 「なんか… こうしてないと落ち着かないって言うか… いいんだエッちゃんが嫌じゃなかったら僕はずっとこうしていたい… だって、ずっと前からそう思っていたんだ」 「………」 「ねえ エッちゃん…僕が考えてる事まだ他にもあるの 教えてあげる」 「なに?」 「僕はいつかさ… エッちゃんと僕の赤ちゃんが出来たらいいな… って、考えてる」 「!…」 「ごめん唐突だよね… こんな話 先はまだまだ長くて、何が起きるか分からないのに……でも、そう考えてるんだ僕……」 「ん… ううん… そんな事ないよちょっとビックリしたけど……いつから…  いつからそんな事考えてたの?」 「えーっとね… いつからかなあ…… 気付いたら…  ”僕にも出来るんだ!!”って最初思って……それで…… エ ッ ち ゃ ん !!って……」 「エ・・・」 「ごめん… イヤ?」 「……イヤでは……ない……」 「本当!? ああ良かった! 僕、すごく嬉しいよ……ね、ね、エッちゃんが僕の赤ちゃん産んでくれるとか考えただけで、自分が生まれて来て良かった お父さん、お母さんありがとう!なんて、すごく嬉しくなっちゃう!」  普段、私が付いて行けなくなるような不思議な事ばかりじゃなくて、ミズキは色んな事考えてるんだね… 私の知らない、気付かない間に…… けれどこの話も壮大過ぎて、今の自分にはまだまだ遠い感じがする ミズキが考えてる将来の中に、私がいるんだ…… なんか不思議だなあ…  私は今が必死で だから細かい事気にしちゃうのかな…… でもミズキのソレはまだ先の事 だから余計に実感が湧かないなあ……  ねえ… だからさ……しようよ…… 僕たちの未来の為に・・・ ・・・・・ミズキの声が聴こえたような気がした……  真上に視線をやっていた私たちは、いつの間にかお互いの顔を見ていた。 お腹の上にあった彼の手は、私の頬や輪郭を指で辿るように触ってる。 自分の指が辿るそのラインに渡すその眼差しが、トモダチの時には見た事がなかった溶けるようにやさしい目をしていて、 私は今までそんな目をしたミズキを見た事がなくって、奪われたように見ていたら 「どうしたの? エッちゃん… クスッ」 なんて、小さく笑われて そしてキスをした 胸がまた苦しいくらいに響いて来た  ミズキがスキ  ミズキがスキ   って……
いいね
ドキドキ
胸キュン
エロい
切ない
かわいい

ともだちとシェアしよう!