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Skip 3 エッチと言われて合格 ①

 私の恵風(えふう)って名前は、パパが付けたんだって。 夏生まれの私たちが生まれたその年は、大変な猛暑の年で暑くて暑くて… って聞いた。 産院の部屋の窓を開けた時に入って来た風に向かって、その時私をダッコしていたパパが 「恵みの風だ……」 って言ったんだって  私の名前のユライ…  名前を呼ばれたような気がして、意識が薄っすら気持ちのいい水面から浮かんで来た感じ… ……暑い…  暑い暑い……それになんか、狭い! ナニコレ…… 蹴ってヤル…… 「わあああああ」 《ドスン》   その間もなくに、私はこれまでの人生で一番の悲鳴を上げたんじゃないだろうかって声を、寝起きの布団の上で上げる。 「ごめんって エッちゃん……」  夏休みが始まって、バイトを始めたユイ。お金を貯めて、新しいパソコンを買うんだって。 ちょうどバイトに行くユイと入り違いに、ミズキがウチに来たらしい。 「ワリイ 俺、これからバイトだからそのまま恵風の所に行っちゃえよ お前なら大丈夫だべ 家のカギ閉めちゃうからな! じゃな!」 「ねえ……許してよ……」  勝手知ってるミズキに、チコク寸前だったユイの対応は正しかったのか、間違いだったのか……? ミズキはユイにもらった許しを素直に受け、私の部屋の前にやって来た。 〈コンコン〉 ノックしたらしいけど、寝ていた私にはそんなの気付かない。 〈コンコン〉 何度かされたノックはまるで意味もなく、その内に痺れを切らしたミズキは、 「エッちゃん寝てるの? 入っていい? ……入るよ……ドア、開けるからね」  ミズキにしたらヨソの家の廊下で、ひとりで放っておかれるのも困った話だよね。 そして意を決したミズキはそおおっと、私の部屋のドアを開けた。 ドアを開けた瞬間、サアアッと流れて来た風を感じ、目を閉じた彼。 再び目を開け視界に飛び込んで来たのは、薄暗な部屋…に波を作ってるカーテン……そして、ベッドの上の一塊…… それを見て、ミズキはその場に踏み止まり一応考えたらしい……  考えて、そおおおっと部屋のドアを今度は閉めた。 彼は部屋の中に入って来た…… そして寝ている私に声を掛ける事もせずに、しばしまた考え(眺め) 横向きで寝ていた私の背中の方に出来ているスペースを見て、自分も横になりたくなったらしい。…… 静かにベッドの上に乗り、私のお腹に腕を回し、背中からダッコのカタチで一緒に横になったと…… 〈ギシッ・・〉 「ミズキのウキウキハッピーデーだよ エッちゃ……  ハッッ!!」  何となく寝苦しさを感じた私は、ジャマなナニカに一蹴り食らわす。 その時に、ミズキは反射的に何かに掴まる気で私のパジャマを掴んで、ベッドから落ちたんだ。
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