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”トモダチ”を超えようか… ⑤

 ”エッちゃんは?”ってどうして聞かないの? そんな事聞かなくてもいい そう思ってる? 私の事全部分かってるって? でも、こういう事はちゃんと考えないとダメなんだ。 ミズキはちゃんと考えて、私の事が好きって言ってるの?  家の前まで来て、ミズキはまた”ごめんねエッちゃん”と言った。 今日は部屋に上がらないで、ここでお別れだ… 私もさっきからこんな調子だしね…… 「分かったよエッちゃん 僕、ずっと考えてたんだけどね」 うん なあにミズキ 「これから毎日、エッちゃんに恋愛的な気持ちを込めて、”エッちゃん好きだよ”って、言う事にする」 え!? 「そしてね僕、エッちゃんとトモダチ超えたいの」 「?…」 「分かる?僕が言ってる事……」  夕方の涼しい風をユルリと浴びながら、彼は静かに言った。 彼の言う言葉にどんな事が含まれているのか、私はまだ分からなかったけど さっき、ミズキから”好き”って言われてもドキドキしなかったのに、今やっと制服の中で小さく心臓に響いたように感じた。 「ねえエッちゃん! 聞いてるの?……また、”トモダチ的な意味で”何て言ったら、今度は僕が泣くからね!」 「あ… あのさ ミズキ」 「なに?エッちゃん!」 「私はこれからアンタの事をトモダチとは別な、オトコとしてミズキの事を見なきゃいけないって、事なんだよね」 「!……」  ほら、そうでしょ こう言われると、途端に緊張が走る 今まで私たちが避けて来た事だもんね。 仲良しの異性のトモダチ関係 それはいいの でもね、トモダチ関係からそれが恋人同士になった時、やっぱり違ったってなった時、私もいやなんだ どうしてか分かる? やっぱりトモダチ関係に戻りましょうか… なんて、都合よく行かない それこそせっかくここまで続けて来れた事を、残念な事にはしたくない。 私は守りたいと思っている事なんだ 壊したくないんだ だって、アンタの事私好きだもん。 だったら今のままでもって思う私は、意気地なしかなあ…… でもね、さっき… すごく安心したの 嬉しかった 私はミズキと手を繋ぎたかったのかなあ…… でも、ミズキとする恋愛って、ピンと来ない ……じゃあ他に誰かってわけでもないけどさ… そもそも恋愛って、どうする事だっけ? ((恵風ちゃん知ってる? セックスって生理のア……))   ドキン・・ 「そ、そうだよ! エッちゃんは女の子で僕はオトコ! 普通のカッコイイ恋愛をしようよ! ふたりで! 僕たちならきっと出来る!!」  ミズキは迷いを捨てたように、チカラ強くそう言った けど、やっぱりアンタは大事な事には気が付かない。 ねえミズキ、私の気持ちは?って聞かないの? 去年は聞いたよね それでいいの? それほどトモダチのエッちゃんを信用してるって? ……違うよミズキ… それじゃあ私たち、いつまで経っても恋愛にならないし、アンタはいつまで経っても私の本当のカレシにはなれない。…… ん?… 私、今自分でミズキの事”カレシ”なんて言った? とにかく… トモダチと変わらない! 手だって、さっきやっと繋いで歩いたくらいなんだよ私たち  これまでのトモダチ関係を変えようとしてるんだよ。 こんな曖昧にして進めて行くのは、私は絶対にイヤだからね! 仲良しでも絶対に許さないから! そんな私とトモダチ関係を超えられるって思ってるの? ミズキ…… ”トモダチ”を超えようか…  終
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