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「んっ!?」  舌が口内に入り込んできてそのまま激しく口の中を荒らしていく。頬を抑え込まれた私は目をまんまるに見開いたままその舌を受け入れるしかなかった。  ぬるぬると唾液を混ぜながら舌を絡め、歯をなぞり、また唾液を混ぜる。背中がぞくぞくして段々体の力が抜けていき私は思わず彼の腕にしがみつく。 「はぁ…はぁっ…」  やっと開放された時、私は先程より高くなった体温を冷ますように必死で肩で息をするしかなかった。  彼は厭らしく自身の口の周りを舐めると、そのまま強い力で私を壁に押し付ける。 「ご主人様を誘惑するなんていけないメイドさんだね、リラ」 「あっ……はぁ…あ…アベル…はぁ…っ…」 「躾が必要かな?」  ああ。まさか、プレイっていうのは。 「アベル…」 「駄目だよ、ご主人様でしょう?リラ」 「…」  ご主人様と言わされるだけじゃなくて、最後までやらされるのか。恥ずかしい、本当に恥ずかしい。けれど言わないと、やらないと開放されない気がする。いや彼の場合私が応じるまで延々とこのプレイを続けるだろう。 「…ご、ご主人様…やめてください」  かすれた小さな声で彼の望む台詞を口に出す。 「誘ったのは君だろう?」 「あっ」 「こんな厭らしい体で主人を誘うなんて、お望みどおり抱いてやろう」  …彼の中にも何か設定があるらしい。口調がいつもと違う。 「きゃっ!!?あべ………ご主人様やめてください!」  強引に服のボタンを外されて、胸元が露わになる。露出された胸を彼は思い切りつかむと首筋に舌を這わせた。 「ひゃっ…ぁっ…」  こんな強引なことをされたことがなく戸惑ってしまう。じゅるじゅると首のほうから聞こえてくる水音と、胸を刺激する痛みが私の気持ちを高めていく。  アベルはいつもと違い余り言葉を発さず、好き勝手に私の体を弄り、舐め、赤い花を咲かせていく。  いつもと違う様子は少々怖いが、これもプレイなのだろう。そう自分を納得させて痛みと快感に身を任せる。 「リラ、ほら見て濡れている」 「…ぁ」  スカートの中に手を入れられ、指で下着の上をくちゅくちゅとわざとらしく音を立てていじる。 「こんな強引にされて濡らすなんて、やっぱり僕の事を誘っていたんじゃないか」 「…私、そんな…」 「ほら、自分でスカートの裾を持ち上げて僕が触りやすいようにしなさい」 「でも…」 「ほら、はやく」  いつもとちがう目に逆らえない。逆らいたくない。私はスカートの裾を持ち上げて太ももと下着を露出させた。 「……そう、いい子だ」  白い指が下着をずらして穴の中に入ってくる。 「んっ…!!」 「…ああ、ぐちゃぐちゃ」 「み、耳元で…言わないでください…」  彼はわざとらしく私の耳元に唇を寄せて囁くように責める言葉を発する。  ―ほら、こんなに中がきゅうきゅうしている。  ―いやらしいメイドさんだね、ご主人様の指がそんなに良いのかい?  ―ああ、今囁かれて締まった。そんなに耳が好きかい?いやらしいメイドさん  囁やかれる度、意地悪に責められる度、中がきゅうきゅうと締まる。彼はそんな私を見てまた意地悪な言葉で私を責める。 「ねえ、何がほしい?」 「え…?」 「…このいやらしい穴の中に何が欲しいのかな?指だけじゃ足りないだろう?」 「……え…ぁ…その…」  いつもなら、頃合いを見て挿れてくれるのに、と戸惑ってしまう。 「ほら、欲しいものは自分からおねだりしないと、ね?」 「…ぁ…」  自分の口から、彼のものが欲しいと言わなければ挿れてもらえない。  それに気がついてまた体温が上がる。 「…ぅ」 「僕はテレパシーは使えないから、目でおねだりされてもわからないなあ?」 「………」 「ほら、これが欲しいんだろう?」  手を捕まれ、彼の局部を触らされる。怒張した物が触られる度にぴくぴくと動いていた。何も得ない私の手を彼は自分で動かす。  まるで私の手を使って自慰をしているみたいに。 「…ぁ…ほしい…ご主人様の…それが…欲しいです」 「どこに?」 「私の、いやらしい部分に…」 「…わかった、じゃあ後ろを向いて」  はいと頷いて、後ろを向いた。 「…スカート上げてお尻突き出して」 「はい…」  どくんどくんと激しく心臓が動く。  下着をずらすように手が動いてそれから。 「ひゃうっ!?」  なんの言葉もなしに奥まで彼のものが突っ込まれた。突然のことにびっくりしたがそれ以上に快楽が体中を走って何も言えなくなる。 「これが欲しかったんだろう?淫乱なメイドさん」 「ひゃっぁ…あっ…そんな…いきなり!」  いきなり奥を責められて私は悲鳴に近い喘ぎ声を上げながらたくし上げていたスカートをつかむ。スカートを掴んでいるせいで、壁に手がつけなくて力を入れる場所があまりなくて辛い。 「ひぁっ…あっ…だめっ…ぁ」 「気持ちいい…はぁ……リラ…ぁっ」  彼はそんな私のことなどお構いなしに私の腰を掴んで乱暴に揺さぶる。本当に今日の彼はいつもと違う。いつもなら腰なんて掴まないのに。  でも、その乱暴なことすら気持ちが良くて私はマゾヒストなのかもしれないと快楽と理性の間でぼんやり考える。 「…ぁっあっ…あん…ぁっ…」 「リラ…っはぁ…っ…僕の愛しの…っ…はぁっ…はあ…」  気持ちがいい、けれども…顔が見たい。 「まっ…まって…っあぁっ…あっ…ご主人様ぁ……」 「…はぁ…はっ…何?」 「顔、顔が見たいです…っご主人様の…アベルの顔が…!」  律動と快楽が止まる。 「…おねだり、自分からできるようになったね」 「…はぁ…は…」 「一回抜くから」  ずるりと中を圧迫していたものが抜ける。 「ベッドでしようか」 「はい…」  ふらふらとおぼつかない足取りでベッドに寝転がると、すぐに視界は汗ばんだアベルの顔で埋まった。  また強引に服をたくし上げられ、今度は下着を剥ぎ取られ、息をつく間もなくまた中にアベルの物が入ってくる。 「あっ…!?」 「あぁ…君はやっぱり僕の顔が見えてたほうが…締まるね…」 「そんなこと……っ口に出して…いわなっ…ひゃあっ!」  服が擦れる音と水音、それから私達の荒い吐息と喘ぎ声が部屋を満たしていく。快楽に喘ぐアベルの顔はやはり美しい。  落ちてくる汗も、額に張り付いた髪の毛も愛おしい。 「……はぁっ…あっ…リラ…愛してる…っ愛してるよ」 「…私も…愛してますっ」  動きがどんどん早くなって、私は彼の背中にぎゅうっと抱きついた。 「はぁ…はぁっ…リラ、リラ…僕の可愛い…っ…はぁ……中に…出すよ」 「…んっ…はぁ……はぁっ」  何度も名前を呼ばれて頭が白くなっていく。 「ぁっ…イ…くっ!」  一番奥を思い切り突かれて、律動が止まった。お腹の中に熱いものを感じて私も絶頂に達する。ああ、なんて幸せなんだろう。 「はぁ…はっ…はぁ……ぁ…はぁー……ふう」  中からアベルのそれが抜かれるとごぷっと音を立てて白濁がシーツに流れ落ちた。 「…リラ、ごめん」 「…なにがですか?」 「君のメイド服見たら我慢できなくなっちゃって」  「…むっ…その、ちょっと強引でした」    わざとらしく頬を膨らせる。その表情を見て彼はあははと笑った。 「ノリノリだったじゃない」 「…それはっ!」 「…ふふふ、リラは強引なえっちでも感じちゃうと」 「あ、ちがっ…」  「ふふふふっ今度は何プレイにしようか?」 「話、聞いてますか?」 「ふふ、あー楽しかった」 「まさかそれだけのためにメイド服を着させたなんてことは…」 「誤解しないで、それはない。さて、今からアドリーヌのために頑張ろうか」  うーんとアベルは伸びをしてひょいっと立ち上がると服の乱れを直す。 「ほら、リラ。乱れちゃったから直してあげる。そしたら、今度こそ"ローズブレイドのメイド"をしてもらうから」  おいで、そう手招きされて私は頬を膨らせたまま再びドレッサー前のスツールにどすんと腰を掛けたのだった。
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