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Chapter.7 愛され続けて*Act.4-05☆

「このまましようか、って意味だけど?」  あまりに当然のように言われ、また理解するのに多少の時間を要した。  けれど、分かったとたん、私は眉をひそめてしまった。 「――ここで、するんですか……?」  探るように訊ねてみれば、高遠さんはなおもニヤリと口元を歪めた。 「絢がしたいならするよ。俺は無理強いする趣味はないけどね」  私に判断を委ねてこようとする辺り、やはり高遠さんは狡いと思う。  絶対、私の反応を覗って面白がっている。 「――ベッドがいいです……」  今の高遠さんを見ていたら、高遠さんに任せる、などと言えば暴走しそうな気がしなくもない。  悔しかったけれど、私からあえて場所を指定した。  高遠さんは特に何も言わず、代わりに私を抱き上げた。  そのまま、隣室のベッドへと運ばれる。  ゆっくりと降ろされた私は、高遠さんを見上げる格好となった。  寝室は暗い。  けれども、戸が明けられたままの隣室からの明かりで、お互いの表情がよく見える。  私の唇が高遠さんのそれに塞がれる。  貪るように口付けられ、呼吸するタイミングを覗うのが精いっぱいだった。  出逢った頃の高遠さんとは違うな、とふと思う。  でも、これが高遠さんの本質なのかもしれない。  いや、普通の男性の本質と言った方が正しいのか。  高遠さんの〈違う顔〉を知ったところで、私は幻滅することはない。  強引でも、高遠さんはちゃんと私のことを考えてくれている。  不安が全くないと言えば嘘になるけれど、高遠さんに愛されれば愛されるほど、私の心は満たされてゆくのも本当だ。
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