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Chapter.7 愛され続けて*Act.4-03

「ふたりでいるのに別々に入るなんてもったいないよ」 「それは……、水道代とかガス代とかですか……?」 「そんなケチ臭いこと言うわけないだろ」  高遠さんは笑いを含みながら続けた。 「俺がもったいないと思うのは時間だよ。絢がすぐ側にいるのに別行動なんて不自然じゃない?」 「それはちょっと違うんじゃ……」 「ん? 絢は俺と一緒にいるのが不服なの?」 「そうは言ってませんよ……。ただ……」 「ただ?」  私の顔をこれでもかというほど、高遠さんは真っ直ぐに見つめてくる。  私が言いたいことは理解しているはず。  けれど、あえて言わせようとしている。  根負けするのは悔しい。  でも、高遠さんの方が何枚も上手だ。  結局私は諦めて、「恥ずかしい……」とポツリと漏らした。 「まだ……、高遠さんと一回しかしてないのに……」  高遠さんは相変わらず、私に視線を注いでいる。  しばらく真顔だったけれど、不意に表情を崩し、私を引き寄せた。
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