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Chapter.7 愛され続けて*Act.1-02

『絢』  少し沈黙してから、高遠さんがおもむろに口を開いた。 『今月、連休取れそうな日はある?』  連休、と聴いて、私の中で緊張が駆け抜けた。  思い過ごしかもしれない。  でも、高遠さんの部屋で抱かれたあと、『泊まりにおいで』と言われたから、もしかしたらもしかするかもしれない。  ただ、今から連休の希望はどうだろう。  学校は落ち着いてきたからともかく、バイトは厳しいかもしれない。  逢いたい気持ちはある。  でも、他の人にシフトを代わってもらうようにお願い出来るほど、私は要領が決して良くない。 「ちょっと分からないですね……。平日ならばあったような気はしますけど……」  そう答えることしか出来なかった。  誘ってくれたことに対する申しわけなさと、高遠さんに逢える機会を逃してしまう淋しさに、私の心は一気に沈んだ。 『そっか、そうだよね。急じゃ無理があるよね』  落ち込んだことを察してくれたのか、高遠さんが優しく声をかけてくる。  高遠さんの方がガッカリしているに違いないのに。 「――すみません……」  器用に立ち回れない自分に腹が立って、泣きそうになりながら謝罪した。  そんな私に、高遠さんはなおも、『いいから』とむしろ励ましてくれる。 『俺のせいでバイトをクビになったりしたら、それこそ絢に顔向け出来なくなる。俺は真面目にバイトしてる絢に一目惚れしたんだから。年甲斐もなくね』  最後の方は自嘲するような言い回しだった。
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